住友ゴムは事業利益が過去最高も、業績予想未達の3要因とは:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
住友ゴム工業は2025年12月期の連結業績で、売上高と当期利益が業績予想を上回った一方で、事業利益は過去最高を更新したものの業績予想に対して950億円の未達となった。未達となった3つの要因や2025年12月期通期の連結業績の詳細を紹介する。
タイヤ事業の事業利益は過去最高を更新
セグメント別では、タイヤ事業の売上高は同0.3%減の1兆437億円で、事業利益は同4.8%増の798億円となった。山本氏は「高インチタイヤ、SYNCHRO WEATHER、北米での主力商品であるSUV用タイヤ『WILDPEAK』シリーズ、欧州で展開するオールシーズンタイヤなどの販売数量が堅調に推移した。その結果、タイヤ事業の事業利益は過去最高を更新した」と語った。
国内の新車用タイヤの販売本数は、前期に一部の自動車メーカーで減産があった他、2025年12月期は自動車生産が堅調であったこともあり、前期を上回った。国内市販用タイヤの販売本数は2024年秋に廉価品の取り扱いを中止したことに加え、オフテイク品の受注減が影響し、前期より減少した。
海外新車用タイヤの販売本数は、中国を中心にアジア圏における自動車メーカー向けが大きく減った。
海外市販用タイヤの販売本数について、アジア/大洋州地域において一般消費者の節約志向が一段と高まるとともに、中華系大手メーカーが価格攻勢を強める中、住友ゴムグループは収益性を重視した販売に注力したこともあり前期よりも販売本数が減少した。欧州地域では、オールシーズンタイヤをはじめとする「FALKEN」ブランドのタイヤを拡販できた一方で、英国の市況悪化による販売減もあり、欧州全体で販売本数は若干減った。
米州地域において、北米では二輪用タイヤの市況悪化や一時的要因による売上減に加え、関税影響の販売価格への転嫁などを積極的に行ったことで対前期で販売本数が減少した。DUNLOPブランドタイヤの北米での販売は2025年6月から予定通り開始しており、同年12月には住友ゴム生産の商品を発売した。南米では、市況が上向かない中で販売代理店と緊密に連携しながら拡販を進めたことなどにより販売本数が伸びた。
スポーツ事業の売上高は同0.1%減の1256億円で、事業利益は同13.3%減の68億円となった。ゴルフ用品の売上高は、主力製品である「SRIXON」ブランドのゴルフクラブ/ボールの販売数量が好調だったことや、国内で2025年11月に発売したドライバー「XXI014」の販売本数が好調に推移したことなどで、韓国における市況悪化の影響による減収をカバーし、前期を上回った。
テニス用品の売上高は、主要市場である日本や欧州で増収となったことから、前期より増収となった。ゴルフスクールやテニススクールを除くウェルネス事業については、対象会社の全株式を2024年12月上旬に新たな株主へ譲渡したこともありスポーツ事業の売上高は前期並みの水準となった。事業利益は収益性が高い韓国での販売数量減少が響き減益を記録した。
産業品他事業の売上高は同5%減の378億円となり、事業利益は同11.7%増の41億円となった。同事業では、OA機器用ゴム部品や手袋の事業で販売数量が減少した。さらに、2025年3月末にガス管事業から撤回したことや、前期に医療用ゴム製品製造/販売を行う欧州子会社の株式譲渡を実施したことなどが影響し、売上高は前期を下回った。事業利益は、国内における医療用ゴム製品や制振ダンパー事業の販売数量好調、OA機器用ゴム部品の構成良化などにより、増益を記録した。
2026年12月期は大幅な増収増益を見込む
2026年12月期の連結業績見通しに関して、売上高は同9.4%増の1兆3200億円で、事業利益は23.4%増の1120億円、営業利益は同21.1%増の1000億円を見込んでいる。
2026年12月期については、欧州、北米、オセアニアの地域において、DUNLOPブランドでビジネスを立ち上げるための費用が生じるとともに、米国関税の影響や人件費の増加、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進費用増などがある見通しだ。一方、タイヤ事業における増販や製品構成の改善、原材料価格の低下などが貢献し、2025年12月期の利益を上回ると見込む。
山本氏は「DUNLOPブランドの拡大に加えて、国内におけるSYNCHRO WEATHERの増販、北米におけるWILD PEAKシリーズの増販などにより、タイヤ販売本数の増加と(タイヤ販売本数における)プレミアムタイヤ比率の向上で、大幅な増収増益を見込んでいる」と強調した。
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