住友ベークライトは2026年1月30日、バイオマス由来のPFA(PolyFurfuryl Alcohol、通称フラン樹脂)を用いた、航空機内装材向け難燃性プリプレグを開発したと発表した。航空機産業が目標とする、2050年CO2ネットゼロ達成に貢献する。
同社は、非可食バイオマス由来のPFA樹脂とそれを用いたPFA製品を「sbPFAR」ブランドとして提供している。その一環として、PFA樹脂をバインダーに用いたPFAプリプレグを開発した。
PFAプリプレグは、従来の石油由来フェノール樹脂と同等の機械強度を有し、航空機内装品に求められる高い難燃性と低煙性、低毒性基準を満たしている。さらに、PFAの重合からプリプレグ化までの一貫した開発により、既存品と比較してCFP(カーボンフットプリント)を43%削減するとともに、従来のフェノール樹脂と同等の機械強度を達成した。航空機内装材や自動車バッテリーなど、難燃性が求められる用途に貢献する。
航空業界では、航空機の軽量化を目的とした繊維強化プラスチックの普及が進んでいるが、製造過程で石油由来原料の削減が課題となっている。特にリサイクルが難しい熱硬化性樹脂については、環境負荷低減のためバイオマス原料の適用が模索されており、サプライチェーン全体で新たなソリューションが求められている。
同社は現在、一部の航空機メーカーへ同製品のサンプルを提供しており、2028年の量産開始を目指している。また、航空機分野に限らず、自動車バッテリーなど難燃性が求められる分野への展開を視野に入れ、マーケティング活動を強化していく計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
業界最薄クラス0.2mmの高電圧対応絶縁シートを開発
住友ベークライトは、業界最薄クラスとなる厚さ0.2mmで耐トラッキング性に優れた絶縁用難燃ポリカーボネートシートを開発した。
耐久性に優れるモスアイシートを開発、1000回のレンズ拭きに対応
住友ベークライトは、「CEATEC 2023」で、開発中の高耐久低反射ポリカーボネートシート、高周波拡散フィルム、メタサーフェス反射板を披露した。
次世代半導体向けの素材とプロセスを共創する研究所を設置
東北大学と住友ベークライトは、同大学 青葉山キャンパス レジリエント社会構築イノベーションセンター(仙台市青葉区)に「住友ベークライト×東北大学 次世代半導体向け素材・プロセス共創研究所」を2025年1月1日に設置する。
VOCが0.1%未満の超低モノマー水溶性フェノール樹脂を発売
住友ベークライトは、フェノール樹脂に含まれる残存原料であるフェノール、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)を0.1%未満まで低減した超低モノマー水溶性フェノール樹脂の製品群の販売を開始した。
ボタン電池で動作する省電力電子調光シート、住友ベークライトが開発
住友ベークライトは、「第15回国際カーエレクトロニクス技術展」において、メモリー効果を持つとともに省電力な電子調光シートを披露した。
