業界最薄クラス0.2mmの高電圧対応絶縁シートを開発:材料技術
住友ベークライトは、業界最薄クラスとなる厚さ0.2mmで耐トラッキング性に優れた絶縁用難燃ポリカーボネートシートを開発した。
住友ベークライトは2026年1月19日、業界最薄クラスとなる厚さ0.2mmで耐トラッキング性に優れた絶縁用難燃ポリカーボネートシートを開発したと発表した。電動車(xEV)や産業用高電圧装置で求められる小型軽量化と高い安全性を両立させる次世代絶縁材料として、展開する。
多様な加工方法に対応
近年、電気自動車(EV)の普及などでモビリティの電力需要が拡大する中、800V級の高電圧システムへの移行が進んでいる。こうした高電圧化の流れに伴い、電装機器における高出力化による発熱が課題となり、さらに限られたスペースでの設計が求められるため、小型化や軽量化のニーズが一層高まっている。
そこで、住友ベークライトは今回の絶縁用難燃ポリカーボネートシートを開発した。同開発品は、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称)フリー、ノンハロゲン難燃処方により環境配慮に対応している。加えて、耐熱性を高め、業界最薄クラスの厚さ0.2mmで耐トラッキング性(800V対応)を実現した。より厳しい高温/高電圧環境でも使える。
同開発品は、多くの実績がある絶縁用ノンハロ難燃ポリカーボネートシート「サンロイドエコシートポリカVHFシリーズ」と同じくポリカーボネートをベースとしたシートだ。既存量産品であるVHFシリーズと同じく、打ち抜き、曲げ、真空成形などの多様な加工が可能であり、顧客の設計ニーズに応じて柔軟に対応できる。薄肉化による小型軽量化に加え、組立性の向上にも貢献する。そのため、スペースの制約が厳しい電動車や産業用高電圧電源装置の設計において、より自由度が高いレイアウト提案に応じる。
主な用途としては、オンボードチャージャー(OBC)、駆動用インバータ、DC/DCコンバーター、リチウムイオン電池(LiB)の絶縁部品といったxEVの部品や、高電圧電源装置の絶縁部品、高電圧化に対応する周辺機器の絶縁用途を想定している。
今後はサンプル提供を通じた顧客評価と市場展開を計画している。さらに、小型化が要求される高電圧車載装置や産業用高電圧機器の課題解決に貢献し、年間売上高10億円を目標に、開発と市場展開を加速する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Euro7対策に光明、ブレーキダスト24%減のバインダー樹脂を開発
2028年適用予定の欧州の排ガス規制「Euro7」では、ブレーキダスト(摩耗粉)も規制対象となる。この厳しい環境規制をクリアするための切り札として、住友ベークライトが自動車用ブレーキパッド用の新たなバインダー樹脂を開発した。
バイオマスの固形ノボラック型変性フェノール樹脂を製品化、鋳型製造など向け
住友ベークライトは、非可食バイオマス由来原料であるリグニンを活用した「固形ノボラック型リグニン変性フェノール樹脂」を発売した。
VOCが0.1%未満の超低モノマー水溶性フェノール樹脂を発売
住友ベークライトは、フェノール樹脂に含まれる残存原料であるフェノール、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)を0.1%未満まで低減した超低モノマー水溶性フェノール樹脂の製品群の販売を開始した。
次世代パワー半導体向け高熱伝導シンタリング銀ペーストのサンプル出荷を開始
住友ベークライトは、次世代パワー半導体向け「高熱伝導シンタリング銀ペースト(150W/m・K)」のサンプル出荷を開始した。2024年12月の量産化を目指している。
次世代半導体向けの素材とプロセスを共創する研究所を設置
東北大学と住友ベークライトは、同大学 青葉山キャンパス レジリエント社会構築イノベーションセンター(仙台市青葉区)に「住友ベークライト×東北大学 次世代半導体向け素材・プロセス共創研究所」を2025年1月1日に設置する。

