2025年暦年の日系自動車生産台数は明暗分かれる、好調トヨタに続きスズキが2位:自動車メーカー生産動向(4/4 ページ)
2025年暦年の日系自動車メーカー8社の世界生産合計は、前年比0.3%増の2416万9499台とわずかながら前年実績を上回り、2年ぶりに増加した。トヨタ、スズキ、ダイハツが前年比プラスを確保する一方で、残りの5社は国内/海外ともに前年割れとなり明暗が分かれた。
マツダ
マツダの2025年の世界生産は、前年比3.7%減の115万6707台と2年連続で前年割れとなった。中国は回復したものの、米国と欧州で販売が落ち込んだことで、メインの国内生産が伸び悩んだ他、米国の追加関税対策としてメキシコで生産する米国向け車両を減産したことが響いた。このうち国内生産は、同4.4%減の71万6690台と2年連続のマイナス。主力車種の「CX-5」は同1.6%増の30万2120台、「マツダ3」も同3.2%増の10万7998台、「CX-30」も同9.6%増の9万4744台と増加したが、「CX-70」「CX-90」などの落ち込みや、「マツダ6」の生産終了などが響いた。
好調だった海外生産も伸び悩み、前年比2.6%減の44万17台と4年ぶりに減少へ転じた。「CX-50」の販売が好調な米国工場は増加したものの、メキシコで米国関税対応により米国向けのCX-30やマツダ3を減産した結果、北米合計は同5.3%減の29万8283台と4年ぶりに前年割れとなった。タイも「CX-3」や「マツダ2」の減少で低迷。一方、中国は新型EVの「EZ-6/マツダ6e」「EZ-60」が純増となり、同16.9%増の9万166台と大きく伸長し、8年ぶりに前年実績を上回った。
12月単月のグローバル生産は、前年同月比9.4%増の9万9018台と3カ月ぶりにプラスへ転じた。国内生産は、同5.9%増の6万6024台と2カ月ぶりの増加。新型に切り替えたCX-5が同6.3%増の2万6546台と増加した他、マツダ3が同25.3%増の1万1207台、CX-30に至っては同69.4%増の8961台と大幅に増加した。海外生産も同17.1%増の3万2994台と8カ月ぶりに前年実績を上回った。中国がEZ-6/マツダ6eやEZ-60の純増などで同51.7%増の1万442台と2カ月連続のプラス。米国も同23.9%増の9456台と2カ月ぶりに増加した。タイは3469台だったが、前年12月が工場内で組み立てを行うフォードブランドのライン改修を受けて生産を停止していたため純増となった。一方、メキシコは関税対応で米国向けCX-30やマツダ3を減産しており、同29.6%減の9606台となった。このため北米トータルでも同10.4%減と減少した。
三菱自動車
三菱自の2025年の世界生産は、前年比6.4%減の88万3828台と2年連続で前年実績を下回った。国内/海外ともに低迷したが、8社の順位ではスバルを上回り、7位となった。このうち国内生産は、同2.1%減の47万1467台と2年連続で減少した。国内販売では、「デリカD:5」の販売は好調だったものの、人気の軽自動車「デリカミニ」や日産にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルークス」が新型車への切り替え前で伸び悩んだ他、日産向けOEMの軽EV「サクラ」が前年から約4割減少した。輸出も北米向け以外が伸び悩み、同2.9%減の22万7760台と2年連続のマイナスだった。
国内以上に厳しいのが海外生産で、前年比11.0%減の41万2361台と4年連続の前年割れ。8社の海外生産で最大の落ち込み幅だ。三菱自が得意とする東南アジア市場の低迷が響いており、中でも主力のタイが経済低迷やローン審査の厳格化などにより低迷した。ただ、インドネシアは、新型SUV「デスティネーター」の生産開始などにより増加したが、タイの落ち込みをカバーするまでには至っていない。
厳しい状況が続いていた三菱自だが、回復の兆しも見せている。12月単月のグローバル生産は、前年同月比6.3%増の7万6688台と2カ月連続で前年実績を上回った。中でも国内生産は、同16.1%増の4万5336台と3カ月連続で増加。フルモデルチェンジしたデリカミニや、日産にOEM供給するルークスなどが貢献した。輸出も同25.0%増の2万7589台と2カ月ぶりのプラス。北米向けが同83.0%増とけん引した。一方、海外生産は、同5.2%減の3万1352台と2カ月ぶりに減少した。
SUBARU
スバルの2025年の世界生産は、前年比6.4%減の87万8016台と2年連続で前年実績を下回った。8社の順位では三菱自に届かず最下位となった。このうち国内生産は、同5.5%減の54万194台と2年連続のマイナス。これは群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)で工事を実施しており、一部の生産ラインを停止した影響が表れた。これに伴い輸出も同7.1%減の44万7367台と2年連続で減少した。唯一の海外拠点である米国生産も、同7.7%減の33万7822台と4年ぶりのマイナスだった。前年の挽回生産の反動減に加えて、8月からサプライヤーの設備トラブルによる一部部品の納入遅れが発生した。
12月単月のグローバル生産は、前年同月比5.0%減の6万7356台と6カ月連続の前年割れだった。矢島工場で一部ラインを停止している国内生産は、同16.9%減の4万210台と7カ月連続の減少。これに伴い輸出も同25.8%減の3万6547台と落ち込み、6カ月連続のマイナスだった。ただ、海外生産は、前年12月が在庫平準化に向けた生産調整で低水準だったこともあり、同20.8%増の2万7146台と大きく伸長し、5カ月ぶりにプラスへ転じた。
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