日系自動車メーカーの世界生産、2025年7月はスズキが2位に:自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)
2025年7月の日系自動車メーカーの世界生産は、トヨタ自動車以外が前年割れとなり、8社の世界生産合計は2カ月ぶりに前年実績を下回った。国内生産が低迷した他、海外生産はメーカーによって明暗が分かれる格好となった。
2025年7月の日系自動車メーカーの世界生産は、トヨタ自動車以外が前年割れとなり、8社の世界生産合計は2カ月ぶりに前年実績を下回った。国内生産が低迷した他、海外生産はメーカーによって明暗が分かれる格好となった。前年の高水準稼働の反動減や、トランプ関税による影響も表面化し始めている。とはいえ、現状では米国の日本車販売は好調に推移している他、各社が新型車の投入を予定しており、これに応じて今後は生産でもプラス基調の動きが広がることも予想される。
7月の8社合計の世界生産は、前年同月比1.6%減の201万5932台と前年実績を下回った。このうち国内生産は、同7.8%減の70万5101台と2カ月ぶりのマイナス。ホンダ以外の7社が前年実績を下回り、ダイハツ工業、マツダ、三菱自動車、SUBARU(スバル)の4社は2桁パーセント減と低迷した。
一方、海外生産の8社合計は、前年同月比2.1%増の131万831台と2カ月連続で増加した。前年越えはトヨタ、スズキ、スバルの3社だが、トヨタが2桁パーセント増となったことが大きい。地域別に見ると、北米が同5.8%増の39万6155台と2カ月連続のプラスとなった他、長らく低迷が続いていた中国も同4.3%増の24万5558台と2カ月連続で増加した。ただ、東南アジアはタイなどで相変わらず厳しい状況が続いている。
国内 | 海外 | (うち北米) | (うち中国) | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ | 292,041 | 554,730 | 158,452 | 135,235 | 846,771 |
▲ 5.5 | 12.0 | 22.3 | 17.1 | 5.3 | |
スズキ | 84,318 | 208,840 | - | - | 293,158 |
▲ 5.7 | 2.2 | - | - | ▲ 0.2 | |
ホンダ | 67,804 | 209,831 | 118,601 | 55,941 | 277,635 |
9.9 | ▲ 11.5 | ▲ 1.6 | ▲ 23.1 | ▲ 7.0 | |
日産 | 51,417 | 176,146 | 76,230 | 48,469 | 227,563 |
▲ 1.6 | ▲ 4.9 | ▲ 8.8 | 14.6 | ▲ 4.2 | |
ダイハツ | 58,640 | 70,361 | - | - | 129,001 |
▲ 11.9 | ▲ 1.9 | - | - | ▲ 6.7 | |
マツダ | 56,637 | 29,914 | 19,837 | 5,913 | 86,551 |
▲ 27.9 | ▲ 10.0 | ▲ 9.4 | 21.4 | ▲ 22.6 | |
三菱自 | 40,598 | 37,974 | - | - | 78,572 |
▲ 10.7 | ▲ 7.9 | - | - | ▲ 9.3 | |
スバル | 53,646 | 23,035 | 23,035 | - | 76,681 |
▲ 12.9 | 21.1 | 21.1 | - | ▲ 4.9 | |
合計 | 705,101 | 1,310,831 | 396,155 | 245,558 | 2,015,932 |
▲ 7.8 | 2.1 | 5.8 | 4.3 | ▲ 1.6 | |
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、% ※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計 |
トヨタ自動車
メーカー別に見ると、トヨタの7月のグローバル生産台数は、前年同月比5.3%増の84万6771台と2カ月連続のプラスとなり、7月として過去最高を更新した。海外生産が好調で、同12.0%増の55万4730台と6カ月連続で前年実績を上回り、7月の過去最高を記録した。
地域別で見ると、主要市場の北米は、前年同月比22.3%増の15万8452台と大きく伸長し、6カ月連続のプラス。米国生産は同28.5%増の9万5145台、カナダが同14.6%増の4万426台、メキシコが同13.3%増の2万2881台と2桁パーセント増を記録。ハイブリッド車(HEV)が好調の他、前年にリコールで生産を止めていたレクサス「TX」や「グランドハイランダー」の反動増も発生した。
中国も好調が続いており、前年同月比17.1%増の13万5235台と7カ月連続で前年を上回った。電気自動車(EV)の販売競争が続く中、政府補助金に連動した販促策の他、新型EV「bZ3X」やHEVの販売が好調だった。
中国以外のアジアは、ローン審査の厳格化などにより依然として市場は厳しいものの、HEVや輸出の堅調の他、市場低迷が一巡したとこもあり、主力拠点のタイが前年同月比8.4%増の4万8392台、インドネシアも同4.1%増の2万5640台とプラスを確保。インドも「イノーバハイクロス」や「アーバンクルーザーハイランダー」などの販売増で同9.3%増の3万8666台となり、中国を含むアジアトータルでは同11.6%増の28万207台と6カ月連続で前年実績を上回った。
欧州は、トルコ(前年同月比15.6%減)やフランス(同4.9%減)が低迷したが、英国(同12.1%増)やチェコ(同37.8%増)が2桁パーセント増となったこともあり、同3.7%増の7万5543台と6カ月ぶりにプラスへ転じた。
一方、国内生産は、前年同月比5.5%減の29万2041台と2カ月ぶりに前年実績を下回った。ロシアのカムチャツカ半島付近で発生した地震による津波影響で30、31日と稼働停止したことが響いた。ただ、輸出は北米向けなどがけん引し、同0.7%増の17万7960台とプラスを確保し、7カ月連続で増加した。
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