2025年暦年の日系自動車生産台数は明暗分かれる、好調トヨタに続きスズキが2位:自動車メーカー生産動向(3/4 ページ)
2025年暦年の日系自動車メーカー8社の世界生産合計は、前年比0.3%増の2416万9499台とわずかながら前年実績を上回り、2年ぶりに増加した。トヨタ、スズキ、ダイハツが前年比プラスを確保する一方で、残りの5社は国内/海外ともに前年割れとなり明暗が分かれた。
ホンダ
8社の中で最も落ち込んだのがホンダだ。2025年の世界生産は、前年比8.9%減の339万6057台と2年連続で前年実績を下回り、スズキに次ぐ3位となった。要因は海外生産の低迷で、同10.8%減の270万6255台と2年連続の前年割れとなった。EVシフトなどにより競争が激化する中国が同16.4%減の68万2289台と大幅減となり、5年連続のマイナス。中国で生産する日系4社では唯一の2桁%減となった。中国では待望の新型EV「イエ」シリーズを投入したが、販売が低迷している。これについてホンダ 副社長の貝原典也氏は2026年2月10日の2025年4〜12月期決算説明会で「地場のEVメーカーに対し、価格面やユーザーエクスペリエンス、ユーザーインタフェースの観点で負けており、ソフト競争においても後れを取っている。これまでの計画を白紙に戻して考えようと思っている」と現状を説明した。中国以外のアジアも価格競争激化などの影響で低迷し、アジアトータルでも同17.8%減の108万6188台と4年連続で減少した。
さらに主要市場の北米では、ネクスペリアの半導体供給問題が直撃した。10月末〜11月下旬にメキシコ工場の稼働を停止した他、米国やカナダでも生産調整を余儀なくされた。その結果、2025年の北米生産は前年比6.1%減の152万961台と3年ぶりの前年割れとなった。
国内生産は、前年比0.5%減の68万9802台で、4年ぶりに減少した。国内販売では、「フリード」が新型車効果で増加したものの、「ヴェゼル」や「フィット」などが2桁%減と落ち込んだ他、国内最量販の主力車種「N-BOX」が前年の新型車効果の影響により台数を落とした。輸出は、2月から埼玉製作所(埼玉県寄居町)で米国向けシビック5ドアHEVの生産を開始したこともあり、同19.5%増の10万7777台と4年連続のプラスだった。
厳しい状況が続くホンダも、回復の兆しを見せ始めた。12月単月の世界生産は、前年同月比4.3%増の28万3161台と3カ月ぶりにプラスへ転じた。ただ、スズキが大きく伸長したため、8社の順位ではスズキに次ぐ3位となる。このうち海外生産は、同3.1%増の22万1744台と3カ月ぶりのプラス。北米は、半導体供給問題からの稼働再開の他、前年12月にオハイオ工場で実施したEV生産ラインの設営工事の反動増もあり、同29.2%増の11万7601台と大幅に伸び、3カ月ぶりにプラスへ転じた。一方、中国は厳しい状況が続いており、同11.0%減の6万8201台と3カ月連続で減少。アジアトータルでも同16.0%減の9万7923台と3カ月連続で前年実績を下回った。
国内生産は、前年同月比9.1%増の6万1417台と3カ月ぶりに増加した。1月の国内販売を見ると、国内最量販のN-BOXがプラスを確保した他、主力のヴェゼルや「ステップワゴン」が2桁%増と好調だった。輸出は同6.1%増の1万758台と9カ月連続のプラスだった。
日産自動車
日産の2025年の世界生産台数は、前年比5.7%減の295万35台と2年連続で前年実績を下回った。とりわけ厳しいのが国内生産で、同13.9%減の56万5444台と2年連続のマイナスだった。海外向けの「パトロール/アルマーダ」は好調だったが、国内市場向けの「ノート」「セレナ」「エクストレイル」など主力車種がそろって台数を落とした他、EV「アリア」も低迷。さらに米国の追加関税対応で「エクストレイル/ローグ」の現地生産割合を増やしたことで、輸出も同17.3%減の32万9415台と2年連続で減少した。
海外生産は、前年比3.5%減の238万4591台と2年連続の前年割れだった。主要市場の北米は、米国では、新型「ムラーノ」がプラス要因となったものの、「アルティマ」の低迷や、ピックアップトラック「タイタン」の生産終了などにより、同7.4%減の48万6232台と2年連続のマイナス。メキシコも「セントラ」の減少で同1.7%減の65万8526台と3年ぶりに減少した。中国は、新型EV「N7」の投入により、前半の競争激化に伴う減産をカバーしたが、同0.7%減の66万831台とわずかながら前年実績に届かず、7年連続の前年割れとなった。英国も第3世代「eパワー」を搭載した「キャシュカイ」の投入によるプラス効果があったものの、EV「リーフ」を新型に切り替えた影響もあり同3.9%減の27万3174台と2年連続で減少した。
とはいえ、直近では、特に海外を中心に回復基調が続いている。12月単月の海外生産は、前年同月比16.6%増の19万4896台と5カ月連続で増加した。米国では、関税対応で生産を増やしているローグの他、「パスファインダー」なども増加し、同26.2%増の3万9582台と2カ月連続のプラス。メキシコも新型セントラが貢献し、同5.2%増の3万5556台と3カ月ぶりにプラスへ転じた。好調なN7に加えて、新型PHEV(プラグインハイブリッド車)「N6」を投入した中国も同15.0%増の7万7330台と7カ月連続で増加した。英国もキャシュカイが大きく伸長し、同53.4%増の2万619台と5カ月連続のプラスだった。
海外が回復する一方で、国内は低迷が続く。12月の国内生産は前年同月比8.5%減の4万6331台と22カ月連続のマイナスだ。1月の国内販売を見ても、新型を投入したリーフは前年から約3倍と増えたものの、セレナが同6.4%減、エクストレイルが同23.8%減、ノートは同31.1%減と、主力モデルの低迷が続く。さらに米国関税対応で輸出も同21.8%減の3万2226台と4カ月連続のマイナスだった。それでも、海外の好調に支えられた結果、12月の世界生産は同10.7%増の24万1227台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。
ダイハツ工業
前年の認証不正問題からの反動増などにより、8社の中で最も高い伸びを見せたのがダイハツだ。2025年の世界生産は、前年比16.3%増の153万549台と3年ぶりに前年実績を上回った。国内生産では、3〜4月に中央発條の爆発事故による稼働停止が発生した他、仕入れ先からの部品供給の不足で7月に滋賀工場(滋賀県竜王町)と大分第2工場(大分県中津市)で稼働を停止したものの、前年の反動増に加えて、新型「ムーヴ」の販売好調などもあり、同50.2%増の77万9101台と6年ぶりにプラスへ転じた。内訳は軽自動車が同42.7%増の54万8857台、登録車に至っては同71.4%増の23万244台と大幅な回復をみせた。
一方で、海外生産は伸び悩みをみせる。2025年は前年比5.7%減の75万1448台と2年連続で減少した。要因はインドネシアで、自動車ローンの金利上昇などにより市場が冷え込んでおり、同11.1%減の38万1078台と3年連続のマイナス。ただ、マレーシアは好調で、同0.6%増の37万370台と微増ながら4年連続で増加。前年に続き、暦年の過去最高を更新した。
12月単月の世界生産は、前年同月比14.2%増の14万522台と4カ月連続で前年実績を上回った。けん引役は国内生産で、同34.0%増の6万9401台と5カ月連続のプラス。内訳は軽自動車が同16.1%増の4万6876台と好調だった他、登録車は同97.6%増の2万2525台と倍増した。海外生産は同0.2%減の7万1121台と8カ月連続のマイナスだった。マレーシアは同4.5%増の3万5003台と好調で4カ月連続で増加し、12月として過去最高を記録したが、インドネシアが同4.4%減の3万6118台と29カ月連続で減少した。
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