3四半期ぶり営業黒字確保のマツダ、新型CX-5で復調への起爆剤となるか:製造マネジメントニュース
マツダは2025年度第3四半期の連結業績を発表。米関税コストの影響を大きく受け純損益は147億円の赤字となったが、直近3カ月では黒字を確保。新型「CX-5」の本格導入を起爆剤に、来期の収益改善を目指す。
マツダは2026年2月10日、広島県府中町の本社とオンラインで会見を開き、2025年度(2026年3月期)第3四半期(2025年4〜12月)決算と通期の業績見通しについて説明した。
2025年度第3四半期の売上高は3兆5014億円(前年同期比5.1%減)、営業損益が231億円の赤字(前年同期は1482億円の黒字)、親会社株主に帰属する四半期純損益は147億円の赤字(前年同期は905億円の黒字)となった。大幅な減益の主な要因は、米国によるメキシコ製車両への追加関税措置である。累計で1192億円に達した関税コストが利益を大きく圧迫し、販売台数の減少も相まって厳しい決算となった。
2025年度通期の業績見通しについては、2025年11月の前回予想からグローバル出荷台数がさらに2万台減少することなどに伴い売上高を800億円下方修正し、前年度比4.0%減の4兆8200億円とした。一方で、足元での回復基調を反映し、営業利益は500億円(前期比73.1%減)、当期純利益は200億円(同82.5%減)と前回予想を据え置いている。
実際に、直近3カ月(10〜12月期)の第3四半期単体では308億円の営業利益を確保し、3四半期ぶりに黒字を確保した。第4四半期からは全面刷新を遂げた新型「CX-5」のグローバル展開を起爆剤として、来期のさらなる収益改善を目指す。
2025年度第3四半期累計のグローバル生産台数は、前年同期比6%減の85万9000台となった。関税負担が大きいメキシコ工場での「CX-30」や、「MAZDA3」の対米輸出を戦略的に抑制したことが主な減少要因としている。通期のグローバル連結出荷台数見通しについても、直近の動向を反映して前回予想から2万台減の117万2000台、グローバル販売台数を同2%減の128万台へとそれぞれ下方修正した。
「新型CX-5」を業績回復の起爆剤に
今後の戦略についてマツダは、グローバル販売の約4分の1を占める最量販車種CX-5の新型モデルを、業績回復に向けた起爆剤と位置付ける方針を示した。マツダ 代表取締役社長兼CEOの諸正弘氏は、「2026年は、これまで粘り強く仕込んできた構造的な原価低減の成果と、マツダの屋台骨であるCX-5の販売貢献が、目に見える『収益改善』として大きく実を結ぶ年になると確信している」と語った。
新型CX-5はインテリアのデザイン一新や後席居住空間の拡大、荷室容量の向上など、全面的な刷新を行った。操作系では大型センターディスプレイを採用し、より直感的なインタフェースを提供。また、新たに開発した塗装色ネイビーブルーマイカをCX-5から導入を開始する。同社は新型モデルの品質を優先し、ソフトウェアなどの最終検証のために欧州向けの量産立ち上げをあえて6週間遅らせる決断を下した。現在は市場投入に向けた最終確認の段階にある。
収益基盤の強化では、構造的な原価低減を徹底した。日本製鉄をはじめとするパートナー企業との共創を通じ、ボディーサイズを拡大しながらも、効率的な車体構造によってコストと重量の抑制を両立させている。構造改革の柱として「ライトアセット戦略」を掲げ、既存資産の有効活用と固定費の効率化をさらに加速させる構えだ。
新型CX-5の導入は、2025年度中に欧州/北米市場から順次開始する。既に先行予約やディーラーへの配車も進めており、諸氏は「市場の反応は期待通り」と2026年度のV字回復に向けた手応えを強調した。国内向けについては2026年4月から本格生産を開始し、春頃の発売を予定している。
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