ホンダの2025年度第3四半期業績は営業利益半減、米国関税とEV関連の減損が響く:製造マネジメントニュース
ホンダは、2025年度第3四半期の連結業績と同年度の通期業績見通しについて説明。2025年度第3四半期の営業利益は、四輪事業における米国関税とEV関連の減損の影響が大きく前年同期比48.1%減の5915億円となった。
ホンダは2026年2月10日、オンラインで会見を開き、2025年度(2026年3月期)第3四半期(10〜12月期)の連結業績と同年度の通期業績見通しについて説明した。
2025年度第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比2.2%減の15兆9756億円、営業利益が同48.1%減の5915億円、税引き前利益が同37.0%減の7717億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同42.2%減の4654億円となった。二輪事業がインドやブラジルを中心にグローバル販売が堅調に推移するとともに、ベトナムにおけるICE(内燃機関)車の乗り入れ規制による販売影響が想定していたよりも限定的なものにとどまったこともあり、第3四半期累計で過去最高の販売台数、営業利益、営業利益率を達成した。一方、四輪事業では、ネクスペリア(Nexperia)の半導体供給不足問題による工場の稼働停止によって北米市場の販売台数が伸びなかったことに加え、米国の追加関税やEV(電気自動車)に関連する一過性費用の計上の影響が利益を押し下げる要因となった。
2025年度第3四半期時点で、四輪事業の米国の追加関税影響が2898億円、EVに関連する一過性費用が2671億円の減益要因となっている。なお、EVに関連する一過性費用には、米国で販売しているEVの損失引当と減損、中国市場に投入しているEVのラインアップ変更に伴う開発資産の除却などが含まれている。
2025年度通期の連結業績見通しは、売上高が前回予想比4000億円増の21兆1000億円、営業利益は前回予想と同じ5500億円、税引き前利益が前回予想比300億円増の6200億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が前回予想と同じ3000億円となった。前提となる為替レートを3円円安の148円としたことで売上高を上方修正した。利益面では、米国の追加関税影響について、期初見通しの4500億円から、サプライヤーを含めたさまざまな努力により3100億円に減額できており、円安による増益も見込んでいるという。その一方で、アジアでの四輪事業の競争環境悪化に伴うインセンティブ強化や不透明な事業環境を鑑みて、営業利益と当期利益は前回見通しを維持した。
グループ販売台数については、2025年度第3四半期時点の実績で、二輪事業が前年同期比6.0%増の1644万台、四輪事業が同9.1%減の256万1000台、パワープロダクツ事業が同0.4%減の250万7000台。2025年度通期見通しは前回予想を据え置き、二輪事業が2130万台、四輪事業が334万台、パワープロダクツ事業が367万台とした。
EVに関連する損失の清算は通期で約7000億円になる見込み
ホンダの2025年度連結業績において大きな減益要因となっているのが、四輪事業における米国追加関税の影響とEVに関連する損失の清算だ。米国追加関税については、先述した通り2025年度通期で3100億円の減益要因となる見込みだ。一方、EVに関連する損失の清算は、2025年度第3四半期で計上した2671億円に加え、研究開発費において通期で4000億円の減益が発生する見込み。北米市場ではGM(General Motors)の工場における生産委託に関わる損失が確定していないものの、EVに関連する損失の清算は通期で累計約7000億円になる見込みだ。
ホンダ 取締役 代表執行役副社長の貝原典也氏は「四輪事業は、過去から培った内燃機関とハイブリッドの技術により十分収益を上げられる体質を維持している。一方で、EV市場の成長鈍化や、各国の環境規制の緩和、保護主義的な政策による多国間の自由貿易体制の後退、グローバル調達の拡大に伴うサプライチェーンリスクの高まり、さらには新興自動車メーカーの台頭によるグローバルでの競争激化などに直面しており、抜本的な戦略の再整理による競争力の再構築が必要だ。そのために、北米で販売しているEVに関連する損失は2025年度中に清算を完了し、事業環境に合わせた規律のある支出のコントロール、EVのラインアップや設備投資計画の見直しなど、EV市場の動向に合わせた迅速な経営判断を行っていく。抜本的な中長期戦略の再構築については、2026年度のしかるべきタイミングで発信したい」と述べている。
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