マツダの2025年度の営業利益は前年度比7割減の見通し、関税が響く:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
マツダは2026年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比8.8%減の1兆997億円の減収、営業損益が461億円の赤字、親会社株主に帰属する四半期純損益は421億円の赤字となった。
マツダは2025年8月5日、2026年3月期第1四半期(2025年4〜6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比8.8%減の1兆997億円の減収、営業損益が461億円の赤字(前年同期は503億円の黒字)、親会社株主に帰属する四半期純損益は421億円の赤字(前年同期は498億円の黒字)となった。
2024年度の決算を発表した2025年5月の時点では、2026年3月期通期(2025年度)の業績見通しは未定としていたが、日米関税交渉の進展などを踏まえて今回発表した。業績見通しは、売上高が前年度比2.4%減の4兆9000億円、営業利益が同73.1%減の500億円、当期純利益が同82.5%減の200億円を見込む。
経営のレジリエンシー強化と効率化の取り組みを継続し、第2四半期(2025年7〜9月期)から反転を目指す。国内生産70万台を基準にサプライチェーンを守るため、米国での販売減少をその他の市場で吸収し、前年並みの販売台数を維持する。
関税影響額は700億円、さまざまな取り組みで吸収
2025年4〜6月期の生産台数は、前年同期比8%減(2.4万台減)の27.6万台、グローバル販売台数は同3%減(9000台減)の30.1万台だった。地域別の内訳は、日本が同11%増、北米が同1%増と増加したが、欧州が同21%減、中国が2%減となった。北米のうち、米国は同2%減だったが、カナダとメキシコは増加した。
米国の不透明な経済情勢や関税の影響に加えて、ディーラー在庫が十分なレベルだったことから生産台数を抑えていたことが背景にある。販売面では、「CX-5」のフルモデルチェンジ前に現行モデルを売り切る必要があった。ただ、「CX-50」をはじめとするラージ商品群は、期待したペースではないものの前年同期比41%増で好調だったとしている。
2025年4〜6月期の営業利益の増減要因を見ると、最も大きく影響したのが関税で、496億円の減益要因となった。為替レートが各地の通貨に対して想定よりも円高で推移したことも利益を268億円押し下げる要因になった。原材料費や物流費、人件費の上昇や、開発スケジュールの影響で研究開発費が増加したことも減益につながった。
前年同期の出荷台数や商品/仕向け地の構成をベースとした場合、関税の影響額は700億円となる見通しだったが、仕向け地の変更や米国内でのCX-50の販売強化により、影響額は496億円に圧縮された。また、収益的に厳しいモデルの出荷抑制などで影響を200億円程度吸収した他、インセンティブ(販売奨励金)の抑制も進めた。ただ、出荷台数のマイナスで営業利益の減少を避けられなかった。
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