エンジニアの61%がAIに危機感、今後求められるのは「翻訳者型」の技術者:キャリアニュース
MARKEDELICは「AI時代のキャリア意向調査」の結果を発表した。エンジニアの61%がAIに危機感を覚えると回答。また、市場価値が高いエンジニアの要件を尋ねたところ、コミュニケーション力が技術力を上回った。
MARKEDELICは2026年1月23日、エンジニア(プログラマー)500人を対象に実施した「AI時代のキャリア意向調査」の結果を発表した。
まず、AI(人工知能)の発達により今後のキャリアに危機感を覚えるか尋ねたところ、20%が「強く感じる」、41%が「やや感じる」と回答した。合算すると61%で、危機感を感じる割合が約3分の2を占める結果となっている。
具体的に危機感を覚える点としては、「自分の専門分野が自動化される可能性」が42%で最多となった。次いで「市場価値が下がる(単価・年収が下がる)」が30%、「顧客や上司が『AIに任せればいい』と考えること」が26%となっている。エンジニアの不安が技術的な側面にとどまらず、キャリアの持続性自体に及んでいる実態がうかがえる。
エンジニアの最上位要件は「技術力」から「コミュニケーション能力」へ
また、どのようなエンジニアを「市場価値が高い」と考えるかを尋ねた。その結果、「コミュニケーション力が高くチームを円滑に動かせる」(60%)が最も多かった。次いで「幅広い技術を理解し全体を俯瞰(ふかん)できる」(51%)、「特定の技術領域に特化した専門家」(40%)となっており、特定の技術領域に優れる既存のエンジニア像よりも、コミュニケーション力を重視する傾向が強まっていることを示している。
エンジニアとしてのキャリアを振り返って「もっと早く知りたかった」ことにおいても、「技術力だけでなく、コミュニケーション能力の重要性」(40%)が最多となった。次いで「多様なプロジェクトに関わり、スキルの幅を広げる重要性」(29%)、「マネジメントスキルやビジネス知識の重要性」(27%)となっている。
同社は今回の調査結果を踏まえて、技術とビジネスの間に立ち、課題を定義して解決策を設計できる「翻訳者型エンジニア」への期待が高まっていると分析している。また、エンジニアには、ビジネスの意図を理解し、技術的な選択肢を整理した上で関係者と共に価値を創出する役割が求められており、それがAI時代における希少性の源泉になると結論づけている。
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