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「AIは数日の業務を数秒にする」、NECが描く“クライアントゼロ”とAI基盤の強み製造ITニュース(1/2 ページ)

NECは、研究開発や新規事業戦略を説明する「NEC Innovation Day 2025」を開催し、同社が持つAI関連技術やそれを支える基盤技術の強みについて訴えた。

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 NECは2025年12月3日、研究開発や新規事業戦略を説明する「NEC Innovation Day 2025」を開催し、同社が持つAI(人工知能)関連技術やそれを支える基盤技術の強みについて訴えた。

“クライアントゼロ”でNEC社内で価値を見極めてから外部展開

 あらゆる産業でAIの活用が広がる中、NECではAI関連技術、これらを支えるプラットフォーム技術で、高い技術競争力を持つ。

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NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO 兼 グローバルイノベーションビジネスユニット長の西原基夫氏

 例えば、AI関連の知財の累積PCT(特許協力条約)国際出願件数は生体認証、映像認識、分析/対処AI領域でグローバル1位(NEC調べ)である他、AIについての難関国際学会の論文採択数では機械学習で日本企業内で1位、世界でも11位である。また、映像/画像処理でも日本企業で1位となっている。セキュリティについても、難関国際学会で45件の論文採択がある他、国際資格CISSPを持つ専門人材が560人以上いるなど、高い技術力を誇る。

 NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO 兼 グローバルイノベーションビジネスユニット長の西原基夫氏は「今ではAIそのものが経済に大きな影響を与える存在になっている。その中で、AI活用についても、セキュリティやプラットフォームなども含め社会で安心して使えるように社会実装する総合力が求められている」と語る。

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NECの持つグローバルでの高い技術競争力[クリックで拡大] 出所:NEC

 NECでは、これらのAI技術を含んだDX(デジタルトランスフォーメーション)についてのソリューションを体系化し、ビジネス価値を生み出すための包括的な価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」として展開している。このブルーステラはNEC社内、もしくはパートナー企業に実際に“クライアントゼロ”として導入し、まずはこれらのソリューションが価値を生むかどうかの検証を行う。その後、成功要因を抽出、分析、型化した「BluStellar Scenario(ブルーステラシナリオ)」としてまとめ、DXの成果までの期間を大幅に短縮している。

 西原氏は「今はAIのポテンシャルがどこにあるのかを確認するフェーズだと考えている。そのため、使用する技術やソリューションをまずNEC社内で実践し、利便性があるかどうかの検証をしている。これらの知恵を抽出して型化してブルーステラとして展開している。今後、AIが定着してくれば、AIネイティブな形にNEC社内の組織も設計していくことをも考えている」と考えを述べている。

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BluStellar Scenarioのイメージ[クリックで拡大] 出所:NEC

業務特化型のAIエージェントを数多く展開

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NEC Corporate SVP 兼 AIテクノロジーサービス事業部門長 兼 AI Technology Officer 山田昭雄氏

 ブルーステラを展開する中で、その手段としてAIが持つ役割は大きい。NEC Corporate SVP 兼 AIテクノロジーサービス事業部門長 兼 AI Technology Officer 山田昭雄氏は「ブルーステラシナリオでAIは手段として使われており、AIに関するNECの業績はAI市場全体の成長以上に伸びている。現在の提案の多くでAIエージェントが含まれるようになっている」とAIに関する動向について語る。

 その中で、NECは、運用や構築など、AIエージェントを支えるAIプラットフォームテクノロジーと、業務プロセスに落とし込んだAIエージェントの両面での展開を進める。業務特化型のAIエージェントは、マーケティングや製造/開発、営業、企業経営に関する多くの製品を既にリリースした。「AIエージェントを次々に発表していくと以前発表したが、既に多くエージェントを形にすることができている。実際に数日かかっていた作業が数秒で終わるような事例なども出てきている」と山田氏は述べる。「NEC Innovation Day 2025」では、その内4つのAIエージェント関連技術について紹介した。

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既に展開しているAIエージェント[クリックで拡大] 出所:NEC

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