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3Dプリンタで「総入れ歯」作製、保険適用可能に:医療機器ニュース
三井化学の3Dプリンタで作製する義歯用材料が、総義歯を対象に保険適用となった。日本初の事例で、義歯需要の増加と歯科技工士不足が進む中、安定供給への貢献が期待される。
三井化学は2025年12月1日、3Dプリンタで作製する義歯用材料が、総義歯を対象に保険適用を取得したと発表した。販売は、子会社である独Kulzerの日本法人のクルツァージャパンが担う。3Dプリントによる義歯用材料が保険適用となるのは、日本で初になるという。
同社は2020年より、歯の配列や歯肉を3Dプリンタで造形する技術を日本市場で展開してきた。クラウドベースのソフトウェア上で作製したデザインを基に、専用インクを用いて歯肉部分と歯部分を造形。これらを接着/重合し、義歯を作製する。
この技術は作業時間の短縮が期待でき、技術者の熟練度に依存しない均質な品質の総義歯を提供できる。今回の保険適用により、3Dプリンタを用いた義歯製作の普及が進み、歯科治療の選択肢の拡大につながることが期待される。
日本では高齢化が進み、年間約18万人が総義歯を作製している。従来の総義歯は歯科技工士の手作業によって作られてきたが、歯科技工士の高齢化や若手の離職により人材不足が深刻化し、安定供給への懸念が高まっていた。
三井化学は今後も3Dプリンティング技術の高度化と材料提供を通じ、歯科治療におけるQOL(クオリティオブライフ)向上と社会課題の解決を目指すとしている。
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