ニュース
3225Mで1.25kV対応の静電容量15nFの積層セラコン、COG特性は世界初:組み込み開発ニュース
村田製作所は、3225Mサイズで定格電圧1.25kV、C0G特性を備えた静電容量15nFの積層セラミックコンデンサーを商品化した。高耐圧と安定した容量により車載電源回路の高効率化に貢献する。
村田製作所は2025年12月2日、3225Mサイズ(3.2×2.5mm)で定格電圧1.25kV、C0G特性を備えた静電容量15nFの積層セラミックコンデンサーを商品化したと発表した。車載オンボードチャージャーや民生機器の電源回路で、高効率な電力変換と高電圧でも安定した動作に寄与する。
本製品は、C0G特性により低電力損失と静電容量の安定性を維持でき、温度変化による性能劣化を抑えられるため、高効率化が求められる電力変換用途に適する。使用温度範囲は−55〜+125℃、静電容量は4.7〜15nFとなっている。
同サイズで1.25kVに対応するC0G特性の15nF品は、同社調べによると世界で初めてとなる。同社は4.7〜15nFのラインアップ拡充を進め、小型化や高性能化に対応するとしている。
電源回路では共振回路やスナバ回路が用いられ、高電圧や大電流が繰り返されるため、温度変化に依存せず安定した特性と低損失が求められる。近年はスイッチング素子がシリコンMOSFETから高耐圧かつ高速動作が可能なSiC(シリコンカーバイド)-MOSFETへ移行し、1.2kV級の耐圧に対応する部品需要が高まっていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
村田製作所がみなとみらいに未来のモビリティの共創スペース、略して「MMM」
村田製作所が車載ソリューションのリアル体験型施設「MURATA みらい MOBILITY」をリニューアルし報道陣に公開した。今後は年間で約250件の来場を見込む。
1005Mサイズで最大となる静電容量47μFの積層セラミックコンデンサー
村田製作所は、1005Mサイズで最大となる静電容量47μFの積層セラミックコンデンサーの量産を開始した。静電容量が同じ同社従来品と比べて実装面積が約60%削減し、同サイズ品と比べて静電容量が約2.1倍になった。
3216Mサイズの静電容量を2012Mサイズで実現した車載積層セラミックコンデンサー
村田製作所は、車載市場向け2012Mサイズ、定格電圧50Vdcにおいて静電容量10μFの積層セラミックコンデンサーを開発し、量産を開始した。従来品に比べて約47%小型化、約2.1倍大容量化している。
体積を従来比約75%削減できる016008サイズのチップインダクター
村田製作所は、016008サイズ(0.16×0.08mm)のチップインダクターの開発を開始する。既存の最小品となる0201サイズ(0.25×0.125mm)に比べ、体積を約75%削減できる。
GPUボードの電力損失を垂直電源供給で5分の1に、村田製作所が「iPaS」で実現
村田製作所は、「CEATEC 2024」において、電源回路のコンデンサーやインダクターをパッケージ基板に内蔵することでGPUボードの消費電力を大幅に低減できる部品「iPaS」を披露した。2026年ごろの実用化を目指している。
村田製作所が「世界最小」の積層セラコンを開発、016008Mサイズ
村田製作所は「世界最小」(同社)とする016008Mサイズ(0.16mm×0.08mm)の積層セラミックコンデンサーを開発した。現行の最小品である0201Mサイズ(0.25mm×0.125mm)と比べて体積比で約75%の削減となる。
