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UV硬化で臭くなりにくい3Dプリンタ用液状シリコーンゴムケミカルマテリアル Japan2025

信越化学工業は、「ケミカルマテリアルJapan2025」で、3Dプリンタ用液状シリコーンゴム「KED-5000G」と「P3 Silicone 25A Gray」を披露した。

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 信越化学工業は、「ケミカルマテリアルJapan2025(Chemical Material Japan2025)」(会期:2025年11月27〜28日、東京ビッグサイト)内の「第8回 先端化学材料・素材総合展」に出展し、3Dプリンタ用液状シリコーンゴム「KED-5000G」と「P3 Silicone 25A Gray」を披露した。

耐熱性にも優れ、150℃でも物性がほとんど変わらない

 両製品は、低臭気のシリコーンゴムで、365nm、385nm、405nmの紫外線(UV)光源により硬化できる他、高いゴム弾性を備えている。耐熱性にも優れ、150℃でも物性がほとんど変わらないという。

 同社の説明員は「従来の3Dプリンタ用光硬化材料(アクリル系やエポキシ系)は、UV硬化させると硬くなり過ぎたり、独特の臭いが残ったりするのが課題だった。一方、KED-5000GとP3 Silicone 25A Grayはシリコーンゴムの特性として優れた伸びと柔軟性を保てる。さらに、アクリル成分を最小化することで、UV硬化で発生する特有の臭いを少なくしている」と利点に触れた。

3Dプリンタ用液状シリコーンゴム「KED-5000G」と「P3 Silicone 25A Gray」の概要
3Dプリンタ用液状シリコーンゴム「KED-5000G」と「P3 Silicone 25A Gray」の概要[クリックで拡大] 出所:信越化学工業

 両製品が対応する3Dプリンタの方式に関して、液体状の光硬化性樹脂にレーザーを照射して一層ずつ硬化させ、積層していく「ステレオリソグラフィー(SLA)方式」や光硬化性の液体樹脂にUV光を照射して、固めて造形する「デジタルライトプロセッシング(DLP)方式」に対応する。液晶ディスプレイをマスクとして使用し、UV光で光硬化樹脂を一層ずつ硬化させる「リキッドクリスタルディスプレイ(LCD)方式」にも応じる。

 KED-5000Gは、信越化学工業が製造/販売するシリコーン製品のブランド「信越シリコーン」で販売されており、さまざまなメーカーの3Dプリンタで使える。用途としては、硬さが求められるハンドルやグリップなどのゴム部品の試作が想定されている。


P3 Silicone 25A Gray(左)とKED-5000G(右)で成形したハンドル部品[クリックで拡大]

 P3 Silicone 25A Grayは、StratasysへOEM供給している材料で、Stratasys製の3Dプリンタ「Origin One」などで使用できる。用途としては柔軟性が求められるガスケットやシール材などが想定されている。同社の説明員は「P3 Silicone 25A Grayは非常に柔らかく、よく伸びる。KED-5000Gは少し硬めで、伸びるがP3 Silicone 25A Grayほどではない」と違いを説明した。


P3 Silicone 25A Grayで成形したガスケット[クリックで拡大]

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