3Dモデルから加工プログラムを自動作成、DMG森精機が対話型ソフトウェア:工作機械
DMG森精機は、3Dモデルから加工形状を認識して加工プログラムを作成するPC向けソフトウェア「CELOS VISUALprogramming 3D」を発売した。プログラム作成時間を最大80%短縮し、工程設計の効率化を支援する。
DMG森精機は2025年10月21日、3Dモデルから加工形状を自動認識して加工プログラムを作成する、対話型ソフトウェア「CELOS VISUALprogramming 3D」を発表した。工作機械の稼働監視や予防保全、リモート保守などを提供する「CELOS Club」の会員限定オプションとして販売を開始する。
従来のプログラム作成は、2次元図面を基に対話入力で進める手法が一般的だったが、製品形状の複雑化に伴い、読み取りや入力作業の負担、ヒューマンエラーの増加が課題となっていた。同製品は、CADで作成した3Dモデルを直接読み込み、形状を抽出して加工プログラムを自動生成する。図やメッセージに沿って対話形式で操作でき、複雑な手順を覚える必要がない。
取り込んだ形状は対話の加工工程に変換されるため、面取り加工の追加や形状変更にも柔軟に対応できる。これにより、従来比でプログラム作成時間を80%、チェック時間を50%削減し、リードタイムを短縮する。入力や操作ミスも低減でき、プログラム品質が向上する。
さらに、専用シミュレーションソフト「CELOS DYNAMICpost for CELOS VISUALprogramming 3D」を標準搭載。作成したプログラムを基に、PC上で機械の動きを正確に再現できる。工具干渉の確認を事前に行えるため、実機でのチェック時間を削減し、安全な加工を支援する。
両ソフトを組み合わせることで、プログラム作成からシミュレーションまでをPC上で完結できる。対象機種は、5軸加工機「INH」「DMU 50」「NMV」シリーズ、複合加工機「NTX」「NT」シリーズ、ターニングセンタ「NLX」シリーズ、横形マシニングセンタ「NHX」シリーズとなっている。
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