京王電鉄が超硬合金チップを搭載した切削装置を持つレール削正車を導入:鉄道技術
京王電鉄は、超硬合金チップを搭載した切削装置でレール頭頂面を削る方式のレール削正車を2026年1月より民鉄で初めて導入する。騒音/振動の減少、列車の乗り心地、安全性の向上が期待できる。
京王電鉄は2025年11月27日、超硬合金チップを搭載した切削装置でレール頭頂面を削る方式(ミリング式)のレール削正車を2026年1月より民鉄で初めて導入すると発表した。騒音/振動の減少、列車の乗り心地、安全性の向上が期待できる。
ミリング式レール削正車の導入により、これまでより広い範囲での効率的なレール削正が可能となる。加えて、レール破断の原因となる傷の除去と発生を抑えられる。レール頭頂面の凹凸を除去することで、頭部形状を新品形状に近い状態に整える。これにより、騒音や振動の軽減、列車の乗り心地や安全性の向上が期待できる。また、レールの交換頻度が減ることにより、保線作業の省力化にも貢献する。
導入するのはローベル社製のミリング式レール削正車である。ミリング式削正ユニット搭載車「ROMILL Work」と、ミリングチップ作業室を備えた付随車「ROMILL Supply」の2台で1編成を構成する。
縦方向に回転する超硬合金チップを搭載したミリング式の切削装置でレール頭頂面を切削する。作業方向へ1回の走行で、不具合箇所を削正できる。レール頭頂面を切削した後、砥石を回転させてレールを削正し、断面を整えて仕上げる。レール切削で生じた切りくずは、車両に設置したコンテナへ直接回収し、リサイクルする。
どちらの車両にも動力を持たせているため、片方の車両でエンジントラブルが発生した場合でも走行できる。作業区間のレールを1回の通過で削正するため、一晩で広範囲におけるレールを削正できる。
従来は、砥石を用いて切削する方式でレール削正を行っていたが、広範囲の削正が難しかったため、傷の状態や列車の累積通過重量に応じて随時レール交換を実施していた。そのため、夜間作業が増加し、レール交換頻度も多くなるという課題があった。
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