2層構造のミリ波電波吸収体、遮蔽量は20dB以上:MWE 2025
キーパーは、マイクロ波技術関連の展示会「MWE 2025」で2層構造の「ミリ波電波吸収体」を披露した。
キーパーは、マイクロ波技術関連の展示会「MWE 2025(2025 Microwave Workshops and Exhibition)」(会期:2025年11月26〜28日、パシフィコ横浜)に出展し、「ミリ波電波吸収体」を披露した。
裏打ち金属板を使用しておらず、柔軟で薄く軽量
同社のミリ波電波吸収体は入射面側の誘電体層と背面側の導電層から成る。樹脂製の誘電体層は電波の整合(インピーダンスマッチング)を行い、導電層に電波を伝達する。導電性を持たせたゴム製の導電層は電波エネルギーを熱エネルギーへ変換/損失させる。
キーパーの説明員は「当社のミリ波電波吸収体は、整合帯域反射係数が−20dB以下で、遮蔽(しゃへい)量は20dB以上となる。ミリ波帯(26〜90GHz)の任意の周波数に整合できる他、整合帯域での遮蔽量は20〜30dBに設定可能だ」と語った。
同製品は裏打ち金属板を使用していないため、柔軟で薄く軽量となっている。「金属探知機などを反応させたくない環境での使用に適している」(キーパーの説明員)。
同製品のサンプル標準寸法は300mm×300mmで、標準厚さは1.3〜3.0mmとなる。標準質量は160g〜320g。使用温度範囲は−40〜125℃だ。「厚さと導電層の導電率を変えることで、吸収できる周波数を調整可能だ。周波数が高い(70GHz帯など)ほど、波長が短くなるため製品を薄くできる」(キーパーの説明員)。
現在はサンプルワーク中心で、大口需要があれば量産体制構築を検討するフェーズだという。
キーパーの説明員は「マイクロ波関連で、これまで想定していなかったミリ波電波吸収体のニーズを模索中だ」と述べた。併せて、「自動車市場でのミリ波電波吸収体のニーズに関しては、センサー側のアルゴリズム(ソフト処理)の調整で電磁波ノイズ除去が可能になりつつあり、コストがかかる物理的な吸収体の需要が想定より低い。市場全体としては、GHz帯(特にミリ波)の電波吸収市場自体がまだ本格的に立ち上がっておらず、現在はMHz帯の電波吸収ニーズが主流だ」と足元の状況を説明した。
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