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ADIのVSC拡張組み込み開発環境が機能強化、ZephyrベースのエッジAI開発を容易に組み込み開発ニュース

アナログ・デバイセズ(ADI)は、「Visual Studio Code(VSC)」をベースとするオープンソースの組み込み開発環境の新バージョン「CodeFusion Studio 2.0」を発表した。同社製品を用いた組み込み機器へのエッジAIの実装をより容易にするための機能やツールが新たに追加された。

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 アナログ・デバイセズ(ADI)は2025年11月3日(現地時間)、2024年10月から展開しているオープンソースの組み込み開発環境「CodeFusion Studio」のメジャーアップデートを発表した。同社製品を用いた組み込み機器の開発におけるAI(人工知能)モデルの実装をより容易にするための機能やツールが新たに追加された。

アナログ・デバイセズの組み込み開発環境の新バージョン「CodeFusion Studio 2.0」
アナログ・デバイセズの組み込み開発環境の新バージョン「CodeFusion Studio 2.0」[クリックで拡大] 出所:ADI

 新バージョンの「CodeFusion Studio 2.0」は、エッジAIへの注目が高まる中で、これまで断片化されがちだった、組み込み機器にAIモデルを実装するプロセスであるAIワークフローをエンドツーエンドで一本化したことが最大の特徴になっている。開発者が学習済みのAIモデルを準備しておけば、ADIが提供する低消費電力のエッジデバイスから高性能DSPに至るまで全てのプロセッサとマイコン製品にAIモデルを効率的に実装することが可能だ。

 中でも注目したいのが、近年採用が拡大しているオープンソースのリアルタイムOS「Zephyr」におけるAIモデルの動作を最適化するツール「Zephyr AI Profiler」だ。マイコン向けの機械学習フレームワーク「TensorFlow Lite For Microcontrollers」や、オープンソースの機械学習コンパイラ「Apache TVM」に対応しており、これらに基づくAIモデル向けのランタイムパフォーマンスプロファイリングが可能となり、レイヤー別解析とADI製品とのシームレスな統合が容易に実現できるようになる。

 AIモデルの実装を容易にする機能強化と併せて、ヘテロジニアスなマルチコアプロセッサ環境への対応も果たした。Armに加えてRISC-Vにも対応しており、これらに加えてDSPやFPGAなどもサポートしている。加えて、新たな統合設定ツール、コアダンプ解析やGDB(GNUデバッガ)のサポートを含む統合デバッグ機能も提供しているので、CodeFusion Studioという1つの統合開発環境によりエッジAIを実装した組み込み機器の開発を完結できるという。

 CodeFusion Studioは、プログラマーに広く利用されているコードエディタ「Visual Studio Code(VSC)」向けの拡張機能としてADIが無償で提供している組み込み開発環境である。macOS、Windows、Linuxに対応しており、ADIのWebサイトからダウンロードできる。

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