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器具交換不要で幅広い手技に対応、オリンパスが外科手術向けデバイスを開発:医療機器ニュース
オリンパスは、血管封止や組織の切開、剥離を実施する外科手術向けエネルギーデバイス「THUNDERBEAT II」を発売する。進化した超音波および高周波ハイブリッド出力と新搭載の超音波単独出力が特徴だ。
オリンパスは2025年10月21日、内視鏡下外科手術や開腹手術向けのエネルギーデバイス「THUNDERBEAT II(サンダービート・ツー)」を同月より欧州で発売し、年内に日本でも展開すると発表した。米国やその他地域にも順次導入予定だ。
THUNDERBEAT IIは、止血機能に優れた高周波エネルギーと、切開機能に優れた超音波エネルギーを組み合わせた外科エネルギーデバイス「THUNDERBEAT」シリーズの次世代フラグシップモデルだ。血管封止や組織の切開、剥離時の効率と安全性を高めることができる。
ハイブリッド出力を進化させ、新たに超音波単独で処置できる「ウルトラソニックモード」を追加した。従来の「シール&カットモード」「シールモード」と合わせて3種類の出力を備え、器具を交換せずに多様な手技に対応できる。
先端部は高機能樹脂製のサーマルシールドで覆われ、デバイスからの熱伝達を抑制。隣接組織への熱損傷リスクを軽減する。また、細く改良された先端形状が精密な操作を支える。
ハンドル部は人間工学に基づいて再設計され、軽い力での操作を可能にした。ケーブルの位置を下部に移すことでねじれを防ぎ、操作時のストレスを低減している。
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