ニュース
太陽光パネルの新リサイクル装置、ガラスを割らずに不純物を除去:リサイクルニュース
エヌ・ピー・シーは、太陽光パネルリサイクル装置「EVAスクレーパー」の提供を開始した。同社のガラス分離装置と組み合わせることで、ガラスを割らずに不純物を除去できる。
エヌ・ピー・シーは2025年10月8日、太陽光パネルのリサイクル装置「EVAスクレーパー」の提供開始を発表した。廃棄量のピーク前までに、ガラス分離装置と合わせて200セットの販売を目指す。
EVAスクレーパーは、ガラス分離装置の後工程に使用する装置だ。同社のガラス分離装置は、約300℃に加熱したナイフでエチレン酢酸ビニール共重合樹脂(EVA)を溶かし、板ガラスのままセルシートから分離する独自のホットナイフ分離法を活用している。
分離したガラスの表面に残るEVA樹脂を、EVAスクレーパーの特殊なブラシで除去する。電気と圧空エアーのみで稼働するシンプル設計で、1枚当たり約60秒の高速処理が可能だ。除去したEVAは、集じん機構で回収する。ガラスを割らずに不純物を低減し、水平リサイクルの価値向上に寄与する。
同社のガラス分離装置で分離したガラスは、2024年秋から海外において数百トン規模でリサイクルされている。国内でも、再資源化と価値向上に向けた評価が進んでいる。同社は、分離装置とリサイクル装置を組み合わせることで、水平リサイクルの普及拡大とガラスの価値向上を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
使用済み太陽光パネルをリユース/リサイクル、KCCSとNPCが協業を検討
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)とエヌ・ピー・シー(NPC)は、使用済み太陽光パネルのリユース/リサイクル事業に関する協業について検討を開始した。使用済み太陽光パネルの再資源化で協業 低温熱分解リサイクル技術を活用
TREホールディングスは、関西電力およびトクヤマと、使用済み太陽光パネルのリユース/リサイクルに関する協定書を締結した。太陽光パネルカバーガラスから板ガラス原料へのリサイクルに成功
AGCは、使用済み太陽光パネルのカバーガラス約24tを、ガラス端材である原料カレットにリサイクルする実証試験に成功した。サーキュラーエコノミーと製造工程の温室効果ガス(GHG)の排出量削減を促進する。オリックス環境が使用済み太陽光パネルの国内販売/再利用を開始
オリックス環境は、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)とともに使用済み太陽光パネルの国内販売と再利用を開始すると発表した。埼玉県で太陽光パネル再資源所を開設 処理能力は1日8.88t
石坂産業は、埼玉県入間市に使用済み太陽光パネルのリサイクルプラント「太陽光パネル再資源所」を新設し、2025年6月2日に受け入れを開始すると発表した。