CMPスラリー世界市場規模、メモリ半導体需要がけん引し2025年は21億米ドル超えに:製造マネジメントニュース
矢野経済研究所は、半導体用CMPスラリーの世界市場を調査し、市場動向と将来展望を明らかにした。生成AIやデータセンター向け半導体の需要拡大により、2024年の世界市場規模は前年比10.1%増の20億1200万米ドルとなった。2025年は、前年比8.5%増の21億8300万ドル(約3200億円)に達するとみられる。
矢野経済研究所は2025年9月25日、半導体用CMP(化学機械研磨)スラリーの世界市場を調査し、市場動向と将来展望を明らかにした。生成AI(人工知能)やデータセンター向け半導体の需要拡大により、2024年の世界市場規模は二桁成長となった。
CMPスラリーは、半導体ウエハー表面の平たん化に不可欠な研磨材で、市場動向は半導体産業と密接に連動する。2025年5〜7月に行われた同調査では、2024年のCMPスラリー世界市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比10.1%増の20億1200万米ドル(約3000億円)となった。
用途別にみると、2024年は酸化膜向けスラリーが8億9800万米ドル(約1300億円)、メタル向けスラリーが11億1400万米ドル(約1700億円)だった。メタル膜スラリーのうち、W(タングステン)スラリーは先端ロジック分野で市場拡大が続くと見込まれる。
2025年は、前年比8.5%増の21億8300万米ドル(約3200億円)に達するとみられる。生成AI(人工知能)や新規データセンターなどがメモリ半導体需要をけん引し、CMPスラリーの需要も堅調に増加している。2024年に比べると成長率は下回るが、今後はハイブリッドボンディングや微細化加工の普及でCMPプロセスの工程数が増えるため、市場は安定して拡大すると予測している。
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