ニュース
クラウド型モニタリングシステムで在宅医療機器を遠隔監視:医療機器ニュース
大陽日酸は、在宅医療機器を遠隔で監視できるクラウド型モニタリングシステム「RingWell」を開発した。医療機関やサービス業者の業務効率化を支援する。患者宅にIoTゲートウェイを設置し、PCやスマートフォンからリアルタイムで確認できる。
大陽日酸は2025年9月30日、アイ・エム・アイと共同で、在宅医療機器を遠隔で監視できるクラウド型モニタリングシステム「RingWell(リングウェル)」を開発したと発表した。医療機器の運転状況や患者の生体情報をリアルタイムで確認できる。
対象となるのは、酸素濃縮装置、パルスオキシメーター、血圧計、人工呼吸器だ。患者宅にIoT(モノのインターネット)ゲートウェイを設置し、BluetoothやUSB通信を介して各機器からデータを収集する。インターネット経由でクラウドサーバにデータを蓄積するため、PCやタブレット、スマートフォンからリアルタイムで確認できる。
同システムの活用により、医療機関では在宅酸素療法の診療報酬として、遠隔モニタリング加算が可能となる。同社の院内医療機器データ連携システム「I-DM」を介して、人工呼吸器や瞳孔記録計などのデータを電子カルテと結び付ける仕組みも検討中だ。これにより、警報発生時の迅速な対応が可能となる。
一方、サービスプロバイダーなどの業者は、運転状況をリアルタイムで確認可能になるため、患者からの問い合わせに迅速かつ正確に対応できる。機器の運転状況を、遠隔で点検することも可能だ。緊急対応や点検作業の効率化につながり、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
医療AIはクラウドベースへ、オリンパスが消化器系内視鏡でプラットフォームを構築
消化器系内視鏡で世界トップシェアのオリンパスがAI技術の導入を積極的に進めている。2023年6月にオリンパス傘下に加わったOdin Vision CEO兼ディレクターのピーター・マウントニー氏に、同社の技術やオリンパスグループが目指す消化器系内視鏡向けAI技術の開発の方向性などについて聞いた。医療機関へのシステム導入におけるセキュリティ対策、提供事業者は何をすべきか
本稿は、医療機関にシステムを導入する際に必要不可欠となるサイバーセキュリティ対策について、情報システムメーカー(提供事業者)が取るべき対応を解説する。半導体生産で重要なネオンなどレアガスの国内生産強化、大陽日酸が製造設備を新設
大陽日酸と日本製鉄は、共同出資で設立した君津サンソセンターに省エネルギー型最新鋭空気分離装置1基を新設することを発表した。併せて、大陽日酸では、現在は需要の大半を輸入に頼っているレアガス(ネオン、クリプトン、キセノン)の製造装置も設置し国内生産を増強する。デジタルヘルスを駆使して高齢者介護改革を目指すオーストラリア
本連載第31回で、オーストラリア政府の「2018〜2022年オーストラリア国家デジタルヘルス戦略」を取り上げたが、同国のデジタル技術は医療から介護分野へと拡大している。診療科横断で患者の医療情報を一元管理するプラットフォームを発売
Siemens Healthcareは、医用画像や臨床検査データ、手術動画、テキストデータなど、患者にひも付く複数の医療情報データを、診療科を横断して一元管理する統合型医療情報プラットフォーム「Syngo Carbon」を発売した。国内の医療情報システム市場に関する調査、クラウド型電子カルテが増加
矢野経済研究所は、国内の医療情報システム市場の調査結果を発表した。2023年度の医療情報システム市場規模は前年度比3.2%増の2974億円で、2024年度は同1.0%増の3002億円と予測している。