FP4対応で電力性能比22倍のエッジAI開発環境:人工知能ニュース
ディジタルメディアプロフェッショナルは、世界初のFP4対応AIカメラSoC「Di1」を搭載した開発キット「Di1 Development Kit」の受注を開始した。電力効率とステレオビジョン技術を強化している。
ディジタルメディアプロフェッショナルは2025年9月24日、独自開発の次世代エッジAI(人工知能)カメラSoC「Di1」を搭載した「Di1 Development Kit」の受注を開始したと発表した。量産利用を前提に設計されたSoMと豊富なI/Oを備え、購入直後からソフトウェア開発と評価を進められる。検証したソフトウェア資産をそのまま製品へ展開でき、開発期間を大幅に短縮できる。価格は5万円(税別)で受注を開始している。
SoC「Di1」は、4TOPS性能を持つNPUを搭載し、世界で初めてFP4(4ビット浮動小数点)に対応した。従来のINT8比でAI処理性能を1.9倍に高め、メモリ使用量を40%削減。高度なAIモデルを2GBのDRAM構成で動作させることを可能にした。
さらに、独自の「Stereo Vision Engine」により最大4組のステレオカメラで360℃の高速深度測距を可能にした。NVIDIA Jetson Orin NX(16GB)比で処理速度は3.7倍、消費電力は約83%削減し、電力性能比で22倍の効率を示した。これによりドローンや自律走行ロボットにおける冷却部品を不要にし、BOMコストや重量の削減に貢献する。
開発環境はONNXに準拠し、TensorFlowやPyTorchで開発したAIモデルを移行可能。SDKや学習済みモデルを備え、迅速なアプリケーション開発を支援する。
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