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カーボンニュートラルに向け、日本特殊陶業が電力を地産地消する電力会社新設:製造マネジメントニュース
日本特殊陶業は、新会社「Niterra電力株式会社」を設立した。再生可能エネルギーの利用拡大と地産地消をさらに加速させ、カーボンニュートラル化と電力コスト削減に寄与する。
Niterraグループの日本特殊陶業は2025年9月9日、同グループが同年6月に新会社「Niterra電力株式会社」を設立したと発表した。
設立の背景には、気候変動問題への対応と企業活動におけるCO2排出削減の必要性がある。Niterraグループはこれまで、水素関連装置やCO2分離、回収装置などを開発してきた。新会社設立により、再生可能エネルギーの利用拡大と地産地消をさらに加速させ、カーボンニュートラル化と電力コスト削減に寄与する。
Niterra電力は「電力からサステナブルな未来を考える」をコンセプトに、太陽光のPPA(Power Purchase Agreement)、電気小売、環境価値の証書化と販売を事業の柱とする。これらにより生成された電力や環境価値を最適に分配し、顧客や取引先に提供する。
まずはグループの工場や従業員、取引先などステークホルダーへのサービス提供を開始し、地域での活用を広げる。将来的には自治体と連携して地域分散型のグリーン電力インフラを構築し、災害に強いコミュニティ形成や電力コスト削減につなげる考えだ。
さらに、グループで進めている水素関連やCO2回収事業とも統合し、電力分野以外のエネルギー事業も展開していく。
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