NTTドコモビジネスがIoTサービスを刷新、NaaSとしてセキュリティ機能を組み込み:製造業IoT(2/2 ページ)
NTTドコモビジネスは、同社がNaaSと定義するクラウド化したネットワーク機能のサービス「docomo business RINK」の新機能「WANセキュリティ」と、WANセキュリティと同等のセキュリティ機能を標準搭載したIoTサービス「docomo business SIGN」について説明した。
サイバー攻撃全体の約3割がIoTデバイスを標的に
docomo business SIGNは、docomo business RINKのWANセキュリティと同様の脅威検知機能を備えたIoTサービスである。NTTドコモビジネス 執行役員 プラットフォームサービス本部5G&IoTサービス部長の小嶺一雄氏は「2024年の国内のサイバー攻撃関連通信数は2015年比で約10.9倍に増加しているとともに、サイバー攻撃全体の約3割がIoTデバイスを標的にしている。今後IoTシステムにおいてもセキュリティ機能が不可欠になってくる中で、docomo business SIGNは最適な選択になるだろう」と強調する。
2025年度中には、IoTデバイスの通信暗号化やなりすまし防止に必須の鍵や証明書をSIMカード内に組み込むとともに遠隔で自動設定できる「IoT SAFE」をdocomo business SIGNのサービスとして提供する予定だ。
また、NaaSに位置付けられるdocomo business SIGNは、目的に合ったIoTシステムの構築やさまざまなデータの円滑な利活用を可能にするための最適な機能を提供する。さらに、IoTシステム構築時に必要なモバイル回線やIoTデータの分析/利活用を行うための各種機能をあらかじめ組み合わせたテンプレートがあり、簡単かつリーズナブルに最適なIoTシステムを構築できる仕組みも用意している。
例えば、駐車場設置機器の遠隔集中管理ではコスト削減のために廉価なモバイルルーターを用いられることも多いが、docomo business SIGNの専用SIMカードを用いれば不正通信を早期に検知して悪用を防げるようになる。また、太陽光発電システムでは、不正通信の検知だけでなく、監視カメラ映像との連携による銅線ケーブルなどの盗難リスクにも対処しやすくなる。
なお、NTTドコモビジネスは、IoT回線サービスの「ImoT」などさまざまなIoT関連のソリューションを提供しているが、2025年12月からはIoTサービスをdocomo business SIGNに統合する方針である。価格については、IoT回線サービスの基本料金で月額数百〜数千円としており、現行とほぼ同価格帯を維持する方針。小嶺氏は「docomo business SIGNは、セキュリティ機能やIoTシステムを構築しやすくする仕組みなどが新たに加わるので、その分だけお得になると考えていただければと思う」と述べている。
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