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ニデックが自動化対応高めた横型MC、次世代EV向けで需要急増の内歯車研削盤も:EMOハノーバー2025(2/2 ページ)
ニデックグループは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、ニデックオーケーケーが新たに発売した5軸横型マシニングセンタ「HX-500」などを披露した。
EV向けで需要高まる内歯車研削盤、同社独自の技術活用
ニデックマシンツールの内歯車研削盤「ZI25A」も展示した。Z125Aは、遊星歯車機構に用いられる内歯車を高速、高精度に仕上げる機械だ。
ニデックマシンツールは2009年(当時三菱重工工作機械)に、世界初とする量産用内歯車研削盤「ZI20A」を発売しており、Z125Aはより大きな歯車用に最大外径を200mmから250mmにアップした。同社では、内歯車を研削するための特許技術を持っており、最近になって出荷台数が急増しているという。
ニデックマシンツール 代表取締役社長 CEOの二井谷春彦氏は「従来のEV(電気自動車)に使われていた平行軸e-Axleは外歯車で減速していたが、これからのEVにはモーターと減速機が一体となった同軸e-Axleが求められている。同軸e-Axleには遊星歯車が使われる。エンジン車に搭載されるトランスミッション向けの遊星歯車の場合は内歯車の研削までは必要なかったが、走行時に静かなEVでは少しでも騒音を減らすため内歯車を研削する必要がある。もともとユーザーの依頼で開発したが、ようやくユーザー側で実用化が始まった」と語る。
ドイツアーヘン工科大学との共同研究による「量産用内歯車ポリッシュ(研磨)加工法」についても紹介した。
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