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AIロボットが全てを支援する世界へ、NTTドコモビジネスの技術ロードマップ公開製造マネジメントニュース

NTTドコモビジネスは、2034年までをターゲットとした「テクノロジーロードマップ 2025」を公開した。2034年には生体通信が普及し、AIロボットが生活のあらゆる局面を支援する世界を描く。

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 NTTドコモビジネスは2025年9月17日、2034年までをターゲットとした「テクノロジーロードマップ 2025」を公開した。社会課題解決に向け「AI/ロボティクス」「IoT/データ/デジタルツイン」「仮想化」「データセンター/量子」「セキュリティ」「ICTインフラ」「宇宙/NTN(Non-Terrestrial Network)/モバイル」の7つの分野で2030年までの展望を示している。

 NTTドコモビジネスは、NTTコミュニケーションズを前身としNTTドコモグループの法人向けサービスを展開している。2025年7月に社名変更を行った。新体制において目指すべきゴールとして「豊かな日常の創出」「経済の安定成長」「安心/安全な社会」「持続的な資源循環の未来」の4つを示し、今回はこれを実現するために必要な技術ロードマップについて示した。

 ロードマップは、4つのゴールに対し、NTTドコモビジネスが関わる7つの技術領域を定め、これらで現在の姿から描くフォーキャストと、将来像から描くバックキャストを組み合わせて「短期(2025年)」「中期(2026〜2028年)」「長期(2029〜2034年)」を描いた。

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NTTドコモビジネスが示した「テクノロジーロードマップ 2025」[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 例えば、「AI/ロボティクス」領域においては、短期ではAI技術による業務効率化と自動化の実現が進むとし、特化型生成AIの普及やそれらによる業務プロセスの効率化と製造プロセスの自動化が進むとしている。

 一方、2026〜2028年をターゲットとした中期では、AI同士がつながり高度な課題解決が進むと予測する。具体的には複数の生成AIが連動し、AIにより高度な業務を担わせることができるAIロボットが普及すると見込む。また、これらにより、現場人材のAIへの置き換えが進み、作業の省人化とスピードアップが進むとしている。

 さらに、2029〜2034年をターゲットとした長期では、AI/ロボットが日常を支えるのが当たり前の世界を描く。AIが統合管理することで、日々の暮らしから工場での生産まで、多様な分野において人とロボットの共生が進み、ユーザーを高精度で理解したデジタルな分身が意思決定やスケジュール管理を自律的に支援するような世界になると予測している。

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テクノロジーロードマップ 2025における「AI/ロボティクス」の将来像[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 「IoT/データ/デジタルツイン」領域については、短期ではIoTプラットフォームで、データ収集と管理の簡易化が進むと予測する。IoTプラットフォームの整備やAIを含めたデータ利活用の環境の普及が進む。

 中期では、自動運転をはじめとしたリアルとデジタルをシームレスにつなぐ通信の実現が進むと予測する。自動運転 Level4の普及が進むと見込むほか、これらを支える安定して遅延のない通信の実現や、セキュアなメディア通信が可能になる。

 長期では、人とデジタル機器をつなぐ技術の実用化が進むと予測している。脳波や筋電を活用した技術により個人の感性や認知を可視化し、コミュニケーションを円滑化するサイバネティクスの実用化が進むと見る。さらにこれらの多様なデバイスとのシームレスな連携などにより、生体の機能拡張などが進むと予測する。

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テクノロジーロードマップ 2025における「IoT/データ/デジタルツイン」の将来像[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 その他では「ICTインフラ」では「IOWN」の普及による高度で安定した通信環境により得られる利点を訴える。短期では、IOWN APN、AIアシスタントなどにより、超低遅延通信で、自動運転や遠隔手術の実現を支援する。中期では、IOWN光コンピューティングにより、都市や医療のデータを即時分析し、データのリアルタイム統合や医療サービスの向上を実現する。長期では、IOWNネットワークとCompute融合により、世界中のデータがリアルタイムでつながり、安全な自動運転や連携する生産機器を実現すると予測する。

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テクノロジーロードマップ 2025における「ICTインフラ」の将来像[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 NTTドコモビジネス イノベーションセンター 副センター長の池尻雄一氏は「短期と中期は現状のNTTドコモビジネスの製品やサービスからフォーキャストで予測した。長期については将来像からバックキャストで必要な技術を予測した。AIなども含めて技術進化の速い領域なので、大きな変化があった際には適宜見直していく」と述べている。

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