カローラレビン・スプリンタートレノのエンジン部品2点を復刻:メカ設計ニュース
TOYOTA GAZOO Racingは、「GRヘリテージパーツプロジェクト」の一環としてカローラレビン・スプリンタートレノ(AE86)の4A-GEエンジン部品2点を復刻する。
TOYOTA GAZOO Racingは2025年9月10日、「GRヘリテージパーツプロジェクト」の一環としてカローラレビン・スプリンタートレノ(AE86)の4A-GEエンジン部品であるシリンダーヘッドSUB-ASSY、シリンダーブロックSUB-ASSYを復刻すると発表した。
当時の基本設計、性能は変えずに、最新のシミュレーション技術や工法、材料を活用して現代化する。シリンダーヘッドSUB-ASSYに関しては、切削加工を燃焼室に追加し、鋳肌をそのまま残した部分の面積を縮小させた。それにより圧縮比のばらつきから生じるエンジンごとの個体差を小さくした。
吸気ポートには塗型処理を実施し、未加工状態における表面の凹凸を減らした。オリジナル部品では一部箇所だけで使われていたカムキャップのノックピンを全箇所に追加することで、組み付け時の作業効率を向上させた。
シリンダーブロックSUB-ASSYは、現代のホーニング処理をシリンダーボアに施し、ボアの加工精度を改善させた。材料の鋳鉄に関してはオリジナル部品と比べて高剛性のものを使い、シミュレーションをもとにクランクキャップの構造を改良することで、耐久性を高めた。
イベント会場での顧客ヒアリングを踏まえ、シリンダーヘッドSUB-ASSYの吸排気ポートの一部を厚肉化した。シリンダーブロックSUB-ASSYは、AE86のみならず、FF車にも設置できるように横置き設置用のボスとリブを追加した。
富士スピードウェイ(静岡県)で2025年9月13〜14日に開催される「頭文字D 30th Anniversary 2days」では、今回発売予定のGRヘリテージパーツや、復刻部品を組み付けた4A-GEエンジン、既存パーツでレストアしたAE86を公開する。会場内のGRヘリテージパーツブースでは、発売予定のGRヘリテージパーツ2点の先行予約も受け付ける。
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