変種変量生産を効率化する自動化システム、ワークとパレットのハンドリング自在:工作機械
DMG森精機は、柔軟な生産を実現する次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を開発した。
DMG森精機は2025年9月16日、柔軟な生産を実現する次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を開発したと発表した。
近年、市場ニーズの多様化に伴い、多品種少量生産が広がっている。ワーク1個当たりの生産数が少なくなる一方で、段取替えが頻繁に発生するため、それらの効率化が求められている。
MATRIS WPHはワークハンドリングとパレットハンドリングを1つのシステムに集約しており、ワークとパレットを自在にハンドリングすることで、さまざまなワークの変種変量生産に対応する。ロボットの最大可搬重量が70kgの「MATRIS WPH 70」と、同210kgの「MATRIS WPH 210」の2種類を展開する。MATRIS WPH 210では、パレットサイズの組み合わせにより最大38パレット収納できる。システム内に滴下したクーラントはシステム中央のオイルパンで回収するなど、長時間の無人運転に貢献する機能が搭載されている。
操作は、引き出しストッカー横に設置している「DMG MORI Automation Controller」に集約。直感的な操作を可能にするユーザーインタフェースにより、ノーコードでロボットの操作や稼働状況の確認などができる。
同社の5軸加工機「DMUシリーズ」「DMCシリーズ」「monoBLOCKシリーズ」「eVoシリーズ」「CMXシリーズ」「NVXシリーズ」などと連結でき、工作機械2台と連結したシステム構築も可能になっている。
なお、同製品はドイツ・ハノーバーで9月22日〜26日(現地時間)に開催される欧州の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」の会場で披露される。販売価格は、MATRIS WPH 70が3430万円、MATRIS WPH 210が3920万円(いずれも税別)となっている。
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