複雑形状にフィットで段取替え削減、THKが自動車業界向けマルチ吸着ハンド:国際物流総合展2025
THKは「国際物流総合展2025」において、複雑な形状をしたワークの吸着に適した、自動車部品業界向けの「次世代マルチ吸着ハンド(TNH08-V09)」を出展した。
THKは「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」(2025年9月10〜12日、東京ビッグサイト)において、自動車部品業界向けの「次世代マルチ吸着ハンド(TNH08-V09)」を出展した。
次世代マルチ吸着ハンドは複雑な形状をしたワークの吸着に適しており、変種変量生産の課題である段取り時間の削減に貢献する。モジュール化したハンド本体には、吸着パッドが付いた9本の中空シャフトを備えており、ワークの形状にフィットしながら吸着することが可能だ。
自動車のサイドミラーやランプ、バンパーなどの吸着を想定している。これらは車種ごとに形状が変わることが多く、新しい車種を生産する度に組み立て工程ではロボットのハンドを設計する必要があり、1日の中でも組み立て車種が変わる度にハンド交換の段取替えが発生していた。
そういった課題に対して、「次世代マルチ吸着ハンドは1つのハンドでいろいろな形状のワークが持てることが特徴だ。これによって一品一葉のハンド設計がなくなり、段取替えの工数も減る。そして、1日に運べるワークの数が格段に増える」(THKのブース説明員)。
新しく開発したモデルはハンド1つ当たりの可搬重量が7kgで、複数のハンドを用いることでバンパーやランプなどのワークを持ち上げられる。また、センサーを搭載することで、ワークの検知や吸着状態の監視が可能になる。
ワークの形状にならう前はフリー、ならった後はロックすることができるTHK独自の特許技術「クイッククランパーエレメント」を搭載している。これは直線移動のクランプ、アンクランプをワンタッチで行えるロック機構を備えた機械要素部品で、たる型の「グォードローラー」をアウターリングに搭載している。
従来、可搬重量1kg程度のモデルを販売していたが、この度、「次世代マルチ吸着ハンド」として可搬重量を7kgに向上させ、受注を開始した。
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