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自ら移動と充電を行う双腕型協働ロボット、SMC/THK/HDSが合同展示会で連携デモ協働ロボット

SMC、THK、ハーモニック・ドライブ・システムズは「第2回 3社合同メカトロニクスショー」を開催し、3社連携デモンストレーションとして移動型人協働双腕ロボットを披露した。

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 SMC、THK、ハーモニック・ドライブ・システムズは2023年8月31日と9月1日の2日間、東京都内で「第2回 3社合同メカトロニクスショー」を開催し、3社連携デモンストレーションとして移動型人協働双腕ロボットを披露した。

3社連携デモンストレーションとして披露された移動型人協働双腕ロボット[クリックで再生]

コストパフォーマンスなどをコンセプトに3社の技術を総動員

 この移動型人協働双腕ロボットにはコストパフォーマンス、親和性の高いデザイン、コンパクトサイズや実用性をコンセプトに各社の技術、製品が用いられている。

 まず移動を担っている搬送車は、THKの自動搬送ロボット「SIGNAS」を改良した。AGV(無人搬送車)やAMR(自律型移動ロボット)の経路設定には、磁気テープ式やSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)式が用いられているが、SIGNASは内蔵カメラでサインポストと呼ばれる目印を認識して経路設定を行うTHKの独自技術が搭載されている。レイアウト変更が容易で悪路や建屋間搬送に強く、THKが自社工場で自ら試行錯誤を重ねて完成した製品だ。

 SIGNASの上に載るのは、THKが提携するカワダロボティクスの双腕型協働ロボット「NEXTAGE Fillie(フィリー)」。頭部には2つの内蔵カメラがあり、自身の位置や姿勢を認識し、動作を補正することができる。SIGNASの上にNEXTAGEを搭載した姿を展示会で披露したのは今回が初めてとなっている。

 ロボットの関節部の減速機としては、ハーモニックドライブ「CSFシリーズ」を使っている。シンプルな構成で関節部の張り出しを抑え、駆動用モーターを小型化できる。中空構造も可能で、モーターやセンサーのケーブルを通して設計を簡素化できる。

 ロボットのハンド部分にはSMCの協働ロボット用エアグリッパ「RMH Series」を使用。12社のロボットメーカーの協働ロボットに対応しており、エア供給チューブと電気配線を接続するだけで動作可能だ。エア源としては、協働ロボットやAGV、AMRなどエア源のない環境で圧縮空気を供給できる3.5kgと軽量なコンパクトコンプレッサー「CRP Series」をSIGNAS内に搭載した。

[クリックで拡大]出所:THK、SMC、ハーモニック・ドライブ・システムズ

 会場で行ったデモンストレーションでは、ロボットが充電ステーションに立ち寄り、自ら充電の操作を行いながら、巧みな双腕の動きを披露した。

 充電ステーションでは、まずサインポストに従ってSIGNASが所定の位置に停止後、ロボットが揺れるのを防ぐためにアジャスターを床に降ろし、ロボットが動作を開始する。SIGNASが動いている間はロボットは動作しないようになっている。

 ロボットはハンド部分のLEDで充電ステーションのスイッチを照らし、頭部のカメラでまだスイッチが入っていないことを確認。また、カメラでスイッチの周りに貼られたクロスマークシールを読み取り、スイッチの位置を認識する。

 その後、SIGNAS上の充電コネクターを持ち上げて充電ステーションに差し込み、スイッチを押してカメラで充電開始を確認後に、ロボットが双腕の動きを来場者に披露する。それが終わるとロボットのハンドスイッチを切り、充電がされていないのを確認後、充電コネクターを取り外し、SIGNASに戻し、再び移動する。

 「組み立てにしても検査にしても、自動化する際にはワークの移動がどうしても付きまとう。その時に、ロボットに自らワークを取りに行かせたいというニーズは根強くある。まず形にして動かしてみることで、ユーザーの声を実際に聞いていきたい」(THKの説明員)

移動型人協働双腕ロボットが自ら充電を行いながらデモンストレーション[クリックで再生]

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