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X線検査装置にAI高速検査機能搭載、画像品質を確保し検査時間を短縮:製造現場向けAI技術
テクノホライゾンは、X線検査装置「TI-X」シリーズに、AIによる高速検査が可能なオプション機能を搭載した。長時間の撮影が前提だったCT検査で、撮影時間を抑えながら検査に必要な画像品質を確保できる。
テクノホライゾンは2025年8月27日、X線検査装置「TI-X」シリーズに、AI(人工知能)による高速検査が可能なオプション機能を搭載すると発表した。長時間の撮影が前提だったCT検査で、撮影時間を抑えながら検査に必要な画像品質を確保できる。同月から提供を開始している。
製造現場では、精密部品の内部欠陥を検出するCT検査に時間がかかるため、全数検査の実施やスループットの確保が課題だった。同オプションは、高度なノイズ処理技術と画像再構成を組み合わせて、短時間撮影でも安定した精度でAI自動検査ができる。これにより、検査対象のスクリーニング範囲を広げつつ、生産性向上と品質の平準化が可能になる。
同オプションは、「AI機能オプションパッケージ(次世代バンプ、ボイド検査ソリューション)」として提供。AI高速検査システムの実装に加え、顧客環境で性能評価や調整作業を含めたPoC(実証実験)を1回実施する。
当初の適用領域はバンプ検査に特化し、順次対象範囲を拡大していく。追加の実証や特別仕様の検討は個別相談となる。また、検査時間の短縮効果はサンプル形状や材質、撮影条件によって変動する。
同社は、AI活用による検査ソリューションを拡充し、高速、高精度な内部検査をより多様な工程に適用したいという顧客のニーズに対応していく。
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