花王は2025年8月25日、米国テキサス州で三級アミンの新工場が完成したことを発表した。
三級アミンは、殺菌剤や洗浄剤などの界面活性剤に使用される化学原料だ。これまで花王は日本、フィリピン、ドイツで、独自技術を生かした高品質な三級アミンを生産してきた。花王はそれらの三級アミンを自社製品に使用するとともに、ケミカル事業を通じて国内外に供給してきた。
新工場の生産能力は年間2万t(トン)で、中長期的な成長が期待される米国市場への安定供給を一層強化し、現地生産によるサプライチェーンの効率化を図る。
「パサデナ拠点は約45haという広大な敷地を有しており、三級アミンだけでなく、その誘導体の製造を通じて社外パートナーとの共創を推進するプラットフォームとしての活用も検討している」(花王 ケミカル事業統括 浜田大輔氏)
花王では今回の新工場完成により、米州、欧州、アジアの三極生産体制が確立され、グローバル市場へのより安定的かつ迅速な供給が実現するとしている。
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