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安川電機が米国本社と生産機能を移転、新拠点設立で今後約260億円投資へ:工場ニュース
安川電機は、米国のウィスコンシン州フランクリン市に新キャンパスを設立する。今後8〜10年間で約1億8000万ドルを投資し、イリノイ州とウィスコンシン州にある本社や技術開発施設などを移転する。
安川電機は2025年6月16日、米国のウィスコンシン州フランクリン市に新キャンパスを設立すると発表した。Yaskawa Americaを通じ、今後8〜10年間で約1億8000万ドル(約263億円)を投資する。
新キャンパスには、イリノイ州とウィスコンシン州にある本社および生産機能を移転。約7万4000m2超の敷地に、本社や技術開発施設、トレーニング施設、産業用ロボット(一般向けおよび半導体製造装置向けマニピュレーター)の製造工場などが含まれる。
アメリカでは、同国の経済を支える製造、サービス業の強固な産業基盤が存在しており、今後もデータセンターなどのインフラ投資や半導体、ロジスティクスなど、さまざまな分野で需要拡大が見込まれる。また、インフレや人件費高騰などを受けて、国内での生産体制を再構築する動きもあり、生産現場の自動化、省人化に対する設備投資需要が急速に拡大している。
新キャンパスの設立により、同社はこれらの設備投資需要に柔軟に対応し、技術、営業、生産、サービスを一貫して提供する事業者として、米国市場での存在感を高めていく。また、スマート工場化を支援する、同社のソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を踏まえた生産体制を構築し、生産性と品質の向上も加速させる。
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