PTCとNVIDIAが協業を拡大 Omniverseを「Creo」と「Windchill」に統合:メカ設計ニュース
PTCはNVIDIAとの協業を拡大し、「NVIDIA Omniverse」を3D CADソリューション「Creo」とPLMソリューション「Windchill」に統合すると発表した。
PTCは2025年8月5日、NVIDIAとの協業を拡大し、「NVIDIA Omniverse」テクノロジーを、3D CADソリューション「Creo」とPLMソリューション「Windchill」に統合すると発表した。設計/製造に関わる企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する。
Omniverseのフォトリアリスティックなリアルタイムシミュレーション開発プラットフォームに、Windchillを接続することで、没入感のある共有環境で最新のCreo設計データを可視化/操作できる。OmniverseのOpenUSDとRTXライブラリを利用し、Windchillでインタラクティブかつリアルタイムにデータを表示することで、ユーザーはPLM環境を離れずに忠実度の高い3Dシミュレーションを利用できる。
今回の統合により、設計からマーケティングなどに至るまでの全ての作業にトレーサビリティーが確保される。バージョン管理された製品情報へのアクセスにより、意思決定の迅速化と開発リスクの低減が図れる。
設計者は、Windchillから直接提供される最新データを使用し、複数領域にまたがるアセンブリを用いた検討、現実的な性能シミュレーション、機能横断的コラボレーションを実施できる。また、Omniverseの可視化機能をWindchillに組み込むことで、リアルタイムシミュレーションや没入型可視化環境を開発過程で直接利用可能になる。
PTCは、NVIDIAとの連携強化に加え、Alliance for OpenUSDにも加盟。オープンで相互運用できる3DデータのOpenUSD標準への取り組みを強化している。
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