足の動きを可視化するスマートインソールを開発者向けに先行販売:ウェアラブルニュース
ORPHEは、6軸モーションセンサーと圧力センサーを搭載したスマートインソール「ORPHE INSOLE」のβ版を研究機関や開発者向けに先行販売する。リアルタイムの動作解析と安全性評価が可能になる。
ORPHEは2025年7月29日、6軸モーションセンサーと圧力センサーを搭載した、スマートインソール「ORPHE INSOLE」のβ版を発表した。専用のモバイルアプリや外部機器と連携することで、靴自体を「スマートシューズ」として機能させることができる。
ORPHE INSOLEは、靴の中敷きと交換して装着できるインソール型デバイスだ。加速度やジャイロなどの6軸モーションセンサーと6点の圧力センサーを内蔵し、足の動きをリアルタイムで計測する。独自のアルゴリズムで解析したデータは、足の高さや地面に対する足の角度などのフォーム指標として可視化できる。転倒状態の判別など、動作安全性の評価も可能だ。
インソール本体は、薄型設計ながらクッション性に優れ、24時間の連続使用が可能。専用アプリは、スマートフォンやタブレット端末に搭載のLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)と連携できる。これにより、全身の3次元姿勢データも同時に取得可能で、高度な運動解析やリハビリ支援にも応用できる。
今後、JavaScriptやPythonによるオープンソースライブラリをGitHub上で公開予定で、インソールを活用したアプリケーション開発や共同研究にも対応する。β版は、研究機関や開発者向けに先行販売を開始。価格(税込み)は、インソール3足と専用アプリを含む「評価キット」が29万7000円、インソールを活用したデータ検証やソフトウェア開発支援などカスタマイズに対応する「共同開発パッケージ」が50万円となる。
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