日機装 ボイルオフガス損失ほぼゼロの液化水素ステーションを米国で建設：工場ニュース

日機装は、連結子会社グループであるClean Energy ＆ Industrial Gasesグループ（CE＆IGグループ）が、独立系ガス販売会社のWestAirと、米国で新たに液化水素ステーションを建設すると発表した。

[遠藤和宏，MONOist]

　日機装は2025年8月13日、連結子会社グループであるClean Energy ＆ Industrial Gasesグループ（CE＆IGグループ）が、独立系ガス販売会社のWestAirと、米国で新たに液化水素ステーションを建設すると発表した。

　CE＆IGグループはこれまでに35カ所以上の水素ステーションを建設してきた。今回のプロジェクトは、米国カリフォルニア州ロングビーチで、液化水素ステーションを建設する。同ステーションは、H35（充填圧力35MPa級）ディスペンサーで燃料電池（FC）バスに燃料として水素を供給する他、水素を各地に配送する水素運搬トレーラーに搭載されたチューブ（高圧ガス容器）への充填にも応じる。

　水素はクリーンエネルギーとして有望視されている一方で、分子が軽いためわずかな隙間から漏れやすく、液体で貯蔵する際に蒸発（ボイルオフ）への対応が課題となる。そこで、今回のステーションでは、FCバスと水素運搬トレーラーへの充填の複合運用に対応し、ボイルオフガス圧縮機の導入で、ボイルオフガスの損失をほぼゼロに抑える設計を採用した。

　同ステーションは、高度な断熱システムを備えた液化水素タンクを備え、予備の液化水素用ポンプと、一時貯蔵タンクを備え、トラブル発生時にも間断ない燃料供給を行うことができるシステムを完備する。水素運搬トレーラーへの充填用設備（充填時の圧力50Mpa）を2カ所に設け、流量は最大で1時間当たり120kgとなる。より高圧のH70（充填圧力70MPa級）燃料供給が行えるカスタマイズにも対応する。

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