エレファンテックは2025年7月17日、銅粒子の平均径が15nmの「銅ナノフィラー」を発売したと発表した。
同社は独自技術を用いて銅ナノフィラーを合成した。同製品は、均一な銅粒子で構成されており、6カ月以上にわたり優れた分散安定性を実現する。保存安定性も高い他、60℃での湿式還元を可能にすることで、製造工程の簡素化にも貢献する。
ケーキ状の銅ナノフィラーは、粘度が100〜1000Pa・s/25℃で、比重は3.2〜3.5g/cm3、固形分含有率は55〜85wt%となる。提供形態は、インクやペーストのベース材料であるグリコールエーテル系溶媒で、各種溶媒への変更にも対応する。
用途としては、電子回路の基板配線、太陽電池セル集電電極、パワー半導体向け、積層コンデンサー(MLCC)電極、各種センサー、アンテナ、シールドの材料を想定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エレファンテックが台湾ICT大手とMoU締結、海外企業で低炭素PCBの大規模採用は初
エレファンテックは、都内で記者発表会を開き、台湾の台湾のハイテク製品受託製造大手であるLITEONと低炭素プリント基板(PCB)「P-Flex」の量産化推進に向けたMoU(基本合意書)を締結したと発表した。誤差やばらつきをAIが補正する高精度インクジェット製造技術を開発
エレファンテックは、個別の誤差やばらつきをAIが学習して補正する高精度インクジェット製造技術「NeuralJet」を開発した。2025年4月から、同技術を用いたプリント基板の量産を開始する。レーザー加工とインクジェット印刷を組み合わせた片面FPCの受注開始
エレファンテックは、レーザー加工とインクジェット印刷技術を併用した片面フレキシブル基板「P-Flex PI」の受注を開始した。2つの技術を併用することで、量産性と微細化の両立に成功。今回、L/Sが100/100μmの製品をリリースする。電気絶縁性と金属並みの熱伝導率を兼ね備えたゴムシートを開発
東京大学は、電気絶縁性と金属並みの熱伝導率を兼ね備えたゴムシートを開発した。パルス交流電界を用いて、窒化ホウ素フィラーを厚み方向に配向すること成功した。三菱電機、金属インクジェット印刷スタートアップのエレファンテックに出資
三菱電機は、金属インクジェット印刷のスタートアップであるエレファンテックへの出資を発表した。金属インクジェット印刷を用いたプリント基板製造では、必要な部分だけを銅で印刷するため、廃棄物や水の使用量を削減できる。