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レーザー加工とインクジェット印刷を組み合わせた片面FPCの受注開始:組み込み開発ニュース
エレファンテックは、レーザー加工とインクジェット印刷技術を併用した片面フレキシブル基板「P-Flex PI」の受注を開始した。2つの技術を併用することで、量産性と微細化の両立に成功。今回、L/Sが100/100μmの製品をリリースする。
エレファンテックは2021年5月13日、レーザー加工とインクジェット印刷技術を併用した片面FPC(フレキシブル基板)「P-Flex PI」の受注を開始した。L/S(Line and Space)が200/200μmの製品を既に提供しており、新たに100/100μmの製品をリリースする。
P-Flex PIは、ポリイミド樹脂をベースとした片面FPC。インクジェット印刷技術をベースにした製法で、環境負荷の低さ、フレキシブルな試作と量産、高いコスト競争力を特徴とする。
新製品では、さらなる微細化のために工法を改良した。インクジェットで銀ナノ粒子を印刷した後に、レーザー加工で部分的に銀ナノ粒子を削る工程を追加し、銀ナノ粒子をシードとして無電解銅めっきによって配線パターンを形成している。
このように、インクジェットでパターンの大枠を形成し、レーザー加工で最終仕上げをする工法により、加工に時間がかかるレーザー加工の弱点に対処しつつ、型レスの利点も維持し、量産性と微細化の両立に成功した。同社は今後、50/50μm製品にも対応する予定だ。
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