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日立産業制御がAI活用でOTナレッジ体系化、生産性向上と人材育成に寄与:製造現場向けAI技術
日立産業制御ソリューションズは、OT熟練者の暗黙知を含むナレッジを体系化した。OTナレッジの利用を設計業務プロセスに組み込み、生産性向上と人財育成を加速する。
日立産業制御ソリューションズは2025年6月24日、OT(Operational Technology:制御運用技術)熟練者の暗黙知を含むナレッジを体系化したと発表した。熟練者が持つ暗黙知の継承による人材育成と、インプロセス化による設計業務の生産性向上を推進する。
クラウド上に構築した生成AI(人工知能)プラットフォーム「GAP-AI」に、体系化したOTナレッジを蓄積することで、分野特有の略語などを知らなくても、制御系設計ナレッジの検索や利用が可能になる。
1業務分野あたり約半年をかけ、熟練者集団がディスカッション形式でOTナレッジの体系化に取り組んだ。熟練者の思考プロセスや過去のトラブル事例からの反映事項などを表出化し、設計段階ごとに体系化している。
発表日時点は、テキストベースのデータのみ扱えるが、マルチモーダルAI技術の導入を促進中だ。2024年度からは日立製作所のGenerative AIセンターとともに画像検索技術の開発と図面検索への利用に取り組んでおり、2025年度中には日立産業制御ソリューションズが上下水など7つの業務分野で業務プロセスに組み込み、他の業務分野にも順次拡大する予定だ。
2027年度には、OT分野の制御系設計業務の生産効率を2024年度比30%改善することを目指すとしている。
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