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C-V2X通信などの高周波ノイズ対策に対応するチップフェライトビーズ:組み込み開発ニュース
村田製作所は、自動車向けC-V2X通信のノイズ対策に対応するチップフェライトビーズ「BLM15VM」シリーズを商品化した。5.9GHzにおけるインピーダンスが1000Ωで、高周波ノイズ対策ができる。
村田製作所は2025年6月19日、自動車向けC-V2X通信(5.9GHz帯)のノイズ対策に対応する、チップフェライトビーズ「BLM15VM」シリーズを商品化したと発表した。同年7月より量産を開始する。
同製品は、5.9GHzにおけるインピーダンスが1000Ω(Typ.)で、高周波ノイズ対策ができる。小型の1005サイズ(1.0×0.5mm)で、使用温度範囲は−55〜+150℃。また、AEC-Q200にも対応しており、自動車のパワートレインやセーフティ用途に使用できる。
従来、GHz帯の高周波ノイズ対策に用いられる高周波インダクターは、高インピーダンスの周波数帯域が狭く、ノイズの周波数帯域と一致するインダクターを選ぶ必要があった。同社は構造設計の最適化を図り、ノイズ対策部品開発で培ってきた材料技術を用いて、高インピーダンスの周波数帯域を拡大した。これにより対応可能なノイズ周波数帯も広くなり、同製品だけで容易にノイズ対策ができる。
また、自動運転システムを支える高周波通信のエラーをなくし、C-V2X(5.9GHz帯)や道路交通情報などのDSRC機(5.8GHz帯)での受信感度を改善することで、制御システムの安定動作に寄与する。無線LANの通信規格Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7でも6GHz帯を使用するため、民生用の通信機器の感度改善やノイズ対策にも活用できる。
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