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電力センサーと環境センサーで工場のエネルギー消費削減、実証実験へ:脱炭素
SIRCとトヨタテクニカルディベロップメントが共同で実証試験を開始した。工場の設備ごとに電力使用状況を調べ、環境むらと呼ばれる工場内の空間的な不均一性を見える化し、無駄なエネルギー消費の削減を目指す。
SIRCは2025年6月2日、TTDC(トヨタテクニカルディベロップメント)と共同で、SIRCの「IoT電力センサユニット」とTTDCの環境センサー「ECOREQUIRE」を用いた実証試験を開始したと発表した。工場の設備ごとに電力使用状況を調べることで、環境むらと呼ばれる工場内で発生する空間的な不均一性を見える化し、無駄なエネルギー消費を削減してエネルギー管理の効率化を目指すとしている。
実証試験の期間は、2025年6月〜2026年3月。ECOREQUIREで温度や湿度、CO2、気圧、風の流れを計測し、IoT電力センサユニットで設備ごとの消費電力量を調べる。両センサーで計測したデータを組み合わせて分析することで、情報を効率的に可視化し、具体的な改善計画の立案につなげたい考えだ。
SIRCのIoT電力センサユニットは、既存設備にわずか15秒で取り付けできる。設備単位で電力使用量を高精度に見える化し、省エネ効果の高い部分を明示。具体的な省エネ施策の立案と実行を支援する。
TTDCのECOREQUIREは、自動車産業の計測や制御の技術を生かして開発した小型計測器。温度、湿度、CO2、気圧を時刻同期で計測し、複数箇所での多点計測に対応する。今回、オプションで3D対応の風センサーが追加され、風速、方位、俯角も計測可能になった。
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