多彩な映像処理エンジンと2.5D GFXを搭載した車載向けHMI表示LSI:組み込み開発ニュース
ヌヴォトン テクノロジージャパンは、車載向けHMI表示LSI「Gerda」シリーズの第4世代となる3品種の量産を開始する。多彩な映像処理エンジンと2.5D GFX搭載で、視認性や表示機能を向上させる。
ヌヴォトン テクノロジージャパンは2025年5月20日、車載向けHMI(Human Machine Interface)表示LSI「Gerda-4M」「Gerda-4L」「Gerda-4C」を発表した。同月より量産を開始する。
車載向けHMI表示LSI「Gerda」シリーズの第4世代となる3製品は、独自の画像処理エンジンと2.5D GFXを搭載。電子ミラーの視認性やAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)、クラスタメーターの表示機能を高め、ドライバーに快適で負担のない安全運転支援システムを提供する。中でもGerda-4Mは、独自のハードウェアエンジンにより、局所的な輝度分布に応じたコントラスト調整を1フレームの低遅延処理で対応。電子ミラーの視認性を向上できる。
AR-HUD向け機能として、歪補正エンジンにより、投影するフロントガラスに合わせて自由変WXGA@60FP形を1フレーム以下の低遅延で処理できる。自由変形処理性能を活用し、近視点と遠視点の両方を表示する「2画面表示HUD」も1チップで可能とする。
また、2.5D GFXエンジンを搭載し、2D表示に深度や影などの3D要素を加えた立体感のある表示ができる。画像圧縮エンジンと組み合わせることで、WXGA@60fpsの高解像度画像表示による高品位なコックピットデザインも可能だ。
高速、大容量メモリを内蔵したことで外付けメモリを不要とし、部品点数やシステムコストの削減に寄与する。また、Gerda-4Lは専用画像圧縮エンジンを搭載し、通常の半分のメモリ容量でリアルタイム処理ができる。
映像信号監視や警告表示監視などの表示安全機能を備え、フェイルセーフ機能やリアルタイム監視機能もサポート。機能安全ASIL-Bのシステムに対応できる。
また、EVITA-Full対応のHSM(Hardware Security Module)搭載で、ネットワーク経由でのソフトウェア更新(OTA)や信頼されたソフトウェアのみ起動するセキュアブートにも対応。自動車のサイバーセキュリティリスクも低減できる。
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