ステレオカメラの3Dセンサーと一味違う、ヌヴォトンの単眼3Dカメラ:2022国際ロボット展
ヌヴォトン テクノロジージャパンは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」において、単眼カメラにより距離情報、近赤外画像、白黒可視画像を視差や時差なく同時に取得できる3Dセンシングカメラ技術「Imaging LiDAR」を展示した。
ヌヴォトン テクノロジージャパンは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」(リアル展、東京ビッグサイト、2022年3月9〜12日)において、単眼カメラにより距離情報、近赤外画像、白黒可視画像を視差や時差なく同時に取得できる3Dセンシングカメラ技術「Imaging LiDAR」を展示した。同月末までに評価機の提供を開始する予定で、2023年度内の量産を目標としている。
「Imaging LiDAR」のデモの様子。写真内の左上にあるImaging LiDARの評価機を用いて、距離情報、近赤外画像、白黒可視画像を出力するとともに、人や障害物の認識処理も行っている[クリックで拡大]
同社のImaging LiDARは、ToF(Time of Flight)センサー「KM34908」と近赤外線光源、物体や人の認識を行うISP(イメージシグナルプロセッサ)から構成されている。KM34908は、1つのセンサーダイの中で白黒可視と近赤外線の画素列を交互に配置するという特殊な構造になっているため、Imaging LiDARは、白黒可視画像と近赤外線画像、近赤外線光源の反射光に基づく近赤外線画像から算出される距離情報を、視差や時差なく同時に取得できる。
広く市販されているステレオカメラを用いた3Dセンサーの場合、視差や時差が発生するため調整が必要になる。しかし、KM34908を用いるImaging LiDARはこの調整が不要であり、ISPによる物体や人の認識まで含めてより低遅延で行える。「特に、振動の影響が大きい自律移動ロボットや農機では、視差や時差のない単眼カメラベースのImaging LiDARの効果は大きいのではないか」(ヌヴォトン テクノロジージャパンの説明員)。
Imaging LiDARの評価機の外形寸法は幅100×高さ90×奥行き145mm。画角は水平方向90度×垂直方向70度。画素数は、白黒可視画像と近赤外線画像それぞれ640×240。フレームレートは20fps、測距範囲は13m(誤差1%:反射率90%、100キロルクス)、消費電力は15W。インタフェースはCAN、GMSL、USB3.0、イーサネットに対応。筐体はIP69Kの防水・防塵(じん)となっている。
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