NanoTerasuを活用し使用済みコンタクトレンズケースをリサイクル:リサイクルニュース
宮城県仙台市とメニコンは、使用済みコンタクトレンズケースの回収拠点を仙台市内の複数の公共施設に設置し、市内4カ所でリサイクル実証事業を開始すると発表した。
宮城県仙台市とメニコンは2025年5月16日、使用済みコンタクトレンズケースの回収拠点を仙台市内の複数の公共施設に設置し、市内4カ所でリサイクル実証事業を開始すると発表した。
実証事業の概要
仙台市では、使い捨てコンタクトレンズケースを回収する拠点を設置し、コンタクトレンズケースの回収を進める。メニコンは、東北大学共創研究所を起点に、3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」を活用したプラスチック再生材の研究開発を促進する。また、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の活動において自動車用部品などへの再生材の適用に関する検討を進める。
実施期間は2025年5月16日〜2027年3月31日。実施場所は仙台市役所(仙台市青葉区、環境局所内、経済局所内)とHOKUSHU仙台市科学館(仙台市青葉区)となる。
実証事業実施の背景
仙台市が設けている民間企業との窓口「クロス・センダイ・ラボ」では、複雑化/多様化するさまざまな地域課題の解決に向け、仙台市と民間企業などが連携して取り組みを進めている。今回は、メニコンの提案を受け、同社が進める「メニコン1Caseプロジェクト」と連携し、コンタクトレンズケースの回収拠点を、市内4カ所に設置する。
メニコンは、2024年4月に東北大学内に「メニコン×東北大学みる未来のための共創研究所」を開設した。さらに、内閣府のSIPに参画し、NanoTerasuを活用しながらプラスチックの資源化に関する研究を推進している。
また、コンタクトレンズケースの回収を行うメニコン1Caseプロジェクトを通じてサーキュラーエコノミー活動を進め、最新の研究拠点を活用した資源循環社会の構築を目指している。
メニコン1Caseプロジェクトは、2024年10月にスタートした資源循環に関する取り組みだ。回収した使用済みコンタクトレンズケースを活用し、自動車などの工業製品向けに再生プラスチック材料の研究開発を行っている。加えて、全国約550カ所に回収ボックスを設置しており、仙台市内ではコンタクト販売店7カ所に配置している(2025年4月現在)。
仙台市とメニコンは、HOKUSHU仙台市科学館でのナノテラス関連展示や進出企業セミナーなど、さまざまな分野で連携を進めている。
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