正常範囲外の相関関係を検知通報、工場など稼働/故障状況の遠隔監視システム:製造ITニュース
NECプラットフォームズは、上下水道施設や工場、商業施設などの設備稼働状況と故障状況を監視、通報する遠隔監視制御システム「コルソス」の新モデル「CSD12」を発売する。
NECプラットフォームズは2025年4月17日、上下水道施設や工場、商業施設などの設備稼働状況と故障状況を監視、通報する遠隔監視制御システム「コルソス」の新モデル「CSD12」を発表した。通報ユニットと電源ユニットがセットで、価格は23万円(税別、以下同)から。同年7月から販売開始し、今後3年間の目標として1万台の販売を掲げている。
CSD12は、複数の監視項目について、蓄積データから相関関係を示す散布図を自動で生成、表示する。事前に設定した正常範囲を外れた相関関係を検知して通報する、相関監視機能を備えている。故障の予兆を検知することで、管理者が人手で収集、分析しながら判断していた作業を効率化し、設備の故障や性能低下の事前防止につなげることができる。
監視データの記録期間を拡大しており、1秒ごとのデータ記録期間を10分から120分へ、1分ごとのデータ記録期間を10日から45日へと増やした。日報作成機能でも、雨量や水位監視向けに、従来は1時間ごとだったデータ表示を10分ごとに短縮。PCやタブレットなどのWebブラウザから対象設備の稼働状態を確認、制御できるWebサーバ機能も強化した。管理者がカスタマイズできるダッシュボード機能や、モバイル端末用のブラウザ表示機能なども追加している。
通報手段は、従来同様に緊急連絡向けの音声通報や発生時刻、現場名などを記録できるEmail通報、FAX通報などに対応する。一般電話回線やLAN、LTEなどの主要な通信インフラに対応し、設備環境や運用方法に合わせて通報方式を選択できる。
運用スタイルについても、運用形態や施設の規模に合わせてスタンドアロン監視、簡易集中監視、クラウド監視、オンプレミス監視から選択できる。管理側の体制や運用方針の見直しに合わせて、運用スタイルを変更可能だ。
4モデルをラインアップし、音声通報機能付きの標準タイプ「CSD12-B」が36万円、データ通信に特化した「CSD12-D」が23万円、音声とFAX通報機能付きで子機増設にも対応する「CSD12-H」が54万円、PLC接続可能な「CSD12-S」が64万円となっている。
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