モノタロウの水戸新物流拠点は最新自動化で生産性3倍、500億円投資で2028年稼働:工場ニュース
MonotaRO(モノタロウ)は、茨城県水戸市に建設する水戸ディストリビューションセンター(DC)の起工式を行った。
工業用間接資材のオンライン販売を手掛けるMonotaRO(モノタロウ)は2025年5月8日、茨城県水戸市に建設する水戸ディストリビューションセンター(DC)の起工式を行った。
MonotaROでは常陸那珂港や高速道路の常磐道を擁する茨城県を東日本の物流拠点にしており、2017年に在庫点数約33万点の笠間DC(茨城県笠間市)、2021年には主に笠間DCのバックヤード機能として茨城中央サテライトセンター(SC)を開設している。
水戸DCの延べ床面積約7万4000m2、在庫点数は約50万点、出荷能力は1日当たり30万行(行は、明細に記される商品の行数)となっている。モノタロウのスタッフとして約600人が働く見込みで、2028年5月の稼働を予定している。
水戸DCでは、豊田自動織機のパケット型自動倉庫「ADAPTO」を導入し、作業フローも見直すことで、笠間DCと比較して3倍の生産性を実現するという。同社の自社施設としては初めて免振構造を採用する他、太陽光発電も初めて導入する。
投資額は約504億円。2022年の計画発表当初は、投資金額は約400億円となっていたが、建設コストの上昇から2023年に約460億円に増額し、2025年にさらに増額して約504億円となった。
MonotaRO 代表執行役社長の田村咲耶氏は「われわれの強みは豊富な品ぞろえと、素早い配送、そしてそれらを高いオペレーション能力の下で低コストに行うことにある。そのため、物流拠点に優先的に投資している。人手不足が深刻化する中で、データサイエンスやロボットの最先端技術を結集して、従来の3倍の生産性の物流拠点を作ろる。われわれは、毎年15%の売り上げの成長を計画しているが、それを支えるのが水戸DCになると期待している」と語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
モノタロウが配送日時の指定サービスを開始 置き配や翌日配送も拡大へ
MonotaROは、ヤマト運輸との連携を強化し、配送日時指定サービスを開始した。さらに、既に実施している置き配サービスや翌日配送エリアの拡大、土日配送の広域展開にも取り組み、サービスの充実を図る。MonotaROが猪名川に新設する物流倉庫で日立のAGVを採用、作業効率は3倍以上に
日立製作所は、工業用間接資材通信販売で国内最大手のMonotaROが新たに開設する物流倉庫「猪名川ディストリビューションセンター(仮称)」向けに、日立インダストリアルプロダクツ製の小型AGV(無人搬送車)「Racrew(ラックル)」約400台を含む搬送設備と倉庫制御システム(WCS)を受注した。歩かない物流センターで60%の省人化、新開発の予知保全が自動倉庫の保守最適化
エレコムが西日本の物流拠点として開設した“人が歩かない”兵庫物流センター。そこで導入したのが、イトーキのシャトル式立体自動倉庫システムだ。オリンパス相模原物流センターにおける自動倉庫導入の舞台裏(前編)
オリンパスの主力国内物流拠点である相模原物流センターは自動倉庫導入により業務効率化を果たした。本稿では、自動倉庫導入の背景や自動倉庫システムと併せて取り入れた工夫、プロジェクトの進め方などについて前後編に分けて紹介する。オリンパス相模原物流センターにおける自動倉庫導入の舞台裏(後編)
オリンパスの主力国内物流拠点である相模原物流センターは自動倉庫導入により業務効率化を果たした。本稿では、自動倉庫導入の背景や自動倉庫システムと併せて取り入れた工夫、プロジェクトの進め方などについて前後編に分けて紹介する。