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駅のトイレ清掃の効率化のため、匂いセンサーを用いた実証実験を開始:組み込み採用事例
JR東日本環境アクセス、三洋化成工業、長瀬産業は、駅のトイレ清掃の効率化を目的とし、匂いセンサー「FlavoTone」を活用した実証実験を開始した。トイレの汚れ具合を遠隔からリアルタイムで把握し、清掃が必要なタイミングや箇所を最適化する。
JR東日本環境アクセスは2025年4月16日、駅のトイレ清掃の効率化を目的とし、匂いセンサー「FlavoTone」を活用した実証実験を同月から開始したと発表した。三洋化成工業、長瀬産業と共同で実施する。
導入したFlavoToneは、人間の嗅覚と同様に複雑な匂いを識別でき、品質管理や特性比較、モニタリングなどの用途で使用できる。実証では、FlavoToneを用いてトイレの汚れ具合を遠隔からリアルタイムで把握し、清掃が必要なタイミングや箇所を最適化する。常に清潔なトイレ環境を提供することで、利用者の安心感や満足度を高めるのが狙いだ。
JR東日本環境アクセスでは、JR東日本の首都圏にある駅の清掃を担当し、センサーなどの技術を活用したCBM(Condition Based Maintenance)による業務の省力化を進めている。三洋化成工業は2023年11月よりFlavoToneを販売しており、長瀬産業は三洋化成と共同でFlavoToneの事業開発に取り組み、販路拡大やマーケティング活動を支援している。
3社は既に、2024年3月に短期実証試験を実施している。今回の長期実証試験では、本格導入に向けた検証に取り組む予定だ。
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