大阪・関西万博のパビリオンに軟骨伝導イヤフォンを導入:医療機器ニュース
パソナグループは、同社が大阪・関西万博に出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」に、外耳の軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導技術を活用したイヤフォンを導入した。
パソナグループは2025年4月11日、同社が2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」において、軟骨伝導技術を活用したイヤフォンを導入したと発表した。この取り組みは、CCHサウンド、奈良県立医科大学、レノボ・ジャパンと共同で実施した。
軟骨伝導は、外耳の軟骨を振動させて音を伝える技術だ。空気の疎密波を聞く「気導」と骨から伝わる「骨伝導」に続く第3の聴覚経路として、2004年に奈良医科大学教授(当時)の細井裕司氏が発見した。
この技術を活用した軟骨伝導イヤフォンは、耳穴をふさがないため耳閉感がなく、音が明瞭に聞こえる。また、穴のない丸型形状により清潔に使用できる。
パビリオンでは、スタッフ用インカムと来場者用の多言語翻訳機能付きガイドイヤフォンとして使用する。
スタッフ用インカムは、軟骨伝導イヤフォンをスマートフォンに接続することで、スタッフ同士がクリアな音声でスムーズに情報共有できるようになるため、業務効率の向上に寄与する。
来場者向けの多言語翻訳機能付きガイドイヤフォンは、日本語、英語、中国語、フランス語、スペイン語、韓国語の6カ国語に対応。パビリオン内の5カ所の展示で音声ガイドを提供する。スピーカーよりも明瞭に聞き取れるよう、日本語音声は難聴者向けに最適化している。
CCHサウンドは、軟骨伝導音響機器の開発、製造販売のほか、コンサルティングや関連特許ライセンスの付与など、さまざまな軟骨伝導事業を手掛けている。また、レノボは同取り組みにおいて、スマートフォンやタブレットなど軟骨伝導イヤフォンと連携するデバイスを提供している。
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