2029年の特殊エンプラ世界市場は2023年対比20.8%の拡大:製造マネジメントニュース
富士経済は、特殊エンプラの世界市場を調査し、その結果を「2025年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 下巻」として発表した。2029年の同市場は2023年対比20.8%増の242億6900万ドルを見込む。
富士経済は2025年4月15日、特殊エンプラの世界市場を調査し、その結果を「2025年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略 下巻」として発表した。2029年の同市場は、2023年比20.8%増の242億6900万ドルを見込む。
同調査は、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、フッ素系樹脂、透明樹脂、機能性樹脂を対象として実施。特殊エンプラ23品目とコネクター用、車載LiBケースなど注目5用途で使われる、エンプラ市場の現状と将来展望についてレポートしている。
2024年の同市場は、前年比5.9%増の212億6700万ドルと予測する。サルホン系樹脂が前年より医療関連用途や食品分野向けなどで大きく伸びていることや、透明樹脂が光学レンズ、電気電子機器、医療関連用途、自動車分野向けなどで伸長していることが市場成長の要因となる。また、前年に低迷していた半導体市場が回復傾向であることも、市場拡大に貢献している。
2025年も引き続き、市場は拡大すると見込まれる。透明樹脂では、自動車や日用品、家電製品、建材など広範な分野の需要拡大に伴い、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が伸長する。フッ素系樹脂では、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)が車載LiBバインダーに使用されており、自動車の電動化の進展により需要が拡大する。また、機能性樹脂では、フェノール樹脂成形材料(PMC)や熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPC)などを中心に成長が見込まれる。
注目市場として、ポリエーテルサルホン(PES)は、2029年に2023年比21.4%増の5億2700万ドルの成長を予測する。新興国における人工透析ニーズの高まりが市場をけん引する。全芳香族ポリイミド(API)に関しては、2029年には2023年比18.2%増の12億2000万ドルに拡大すると見込む。
スマートフォンの出荷台数は大きく伸びないものの、高放熱ニーズの拡大に伴い、グラファイトシートの需要が伸長することや同軸ケーブルからフレキシブル基板(FPC)へのシフトにより、FCCLやカバーレイフィルムの需要が拡大することが要因とする。
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